精神疾患

統合失調症を分かりやすく解説【薬剤師国家試験】

統合失調症マインドマップ 薬 一覧 まとめ 発症機序

概要

統合失調症GIF 原因 発症 ドパミン バランス

統合失調症の主要な原因と薬を説明します。<詳しく>

健常者の脳では、ドパミンとコリンはバランスを取っています。

しかし統合失調症ではドパミン神経が活発になり、バランスが崩れている状態です。

そこで登場するのがドパミン遮断薬です。ドパミンを抑えることでバランスを戻します。

しかし、薬が効きすぎるとコリン側に偏ってしまい、震えや固縮といったパーキンソン病のような症状(パーキンソン様症状)がでます。

元来のパーキンソン病ならばドパミン刺激薬を使えばいいのですが、ドパミン遮断薬を使ってパーキンソン様症状になっているのでドパミン刺激系は使えません。

なので、コリンを減らしてバランスを戻します。

病態

症状 陽性症状/陰性症状

統合失調症 陽性 陰性 症状 分類

 

原因

統合失調症の原因ははっきりとはわかっていません。

仮説として言われていることは、以下の3つです。

統合失調症 原因 ドパミン仮説 グルタミン酸仮説 セロトニン

  • ドパミン仮説

ドパミン神経機能が亢進して陽性症状が出る。

  • グルタミン仮説

興奮性のグルタミン酸神経の機能が低下し、感情の平板化などの陰性症状が起きている。

  • セロトニン系の亢進

陰性症状にはセロトニンも関与していて、5-HT₂受容体の遮断が有効である。

治療薬

治療薬には昔から使われている定型と、最近よく使われている非定型があります。

 

定型

~系の~の部分は覚えないでいいですが、各薬が同じグループだとわかるようにしてください。

フェノチアジン系

以下の作用(「HAMAで」の部分)が定型、非定型の基本の作用点になるので作用とともにしっかり暗記してください。

ゴロ:フルでクロール HAMAで沈

統合失調症 薬 ゴロ 覚え方

その他の副作用にバゾプレシン分泌過剰症(SIADH)があります。

SIADH<詳しく>
バソプレシンが過剰分泌し、水の再吸収が増加→循環血液量↑→低Na血症になります。

ブチルフェノン系

統合失調症 薬 ハロペリドール 作用機序

代表薬はハロペリドールです。

D₂受容体遮断作用が強く、ムスカリン受容体遮断作用が弱いため、

バランス的にコリンが重くなりやすく、錐体外路障害(パーキンソン様症状)が出やすいです。

筋注で4週間作用が持続するため、服薬管理がしっかりできるという特徴があります。

パーキンソン様症状 コリン 錐体外路障害

他にはブロムペリドールとスピペロンがあります。名前だけ覚えておきましょう。

その他:スルピリド

D₂受容体遮断作用です。この薬はよく国試に出ます。

その理由は、投与量によって適応の違う面白い薬だからです。

少ない順に

「胃潰瘍<うつ病<統合失調症」

になっています。

大変な病気ほど量を多くするイメージで覚えておきましょう。

非定型

いろいろな受容体を遮断する多元受容体遮断薬とドパミン調節薬に分けられます。

多元受容体遮断薬

ドパミンやセロトニンの受容体を遮断するため、陽性はもちろん、陰性にも効きます。

ゴロ:リスはペロペロ オランダのクエは甘い

統合失調症 MALTA ADA 薬 ゴロ 覚え方

SDA

S:セロトニン、D:ドパミン、A:アンタゴニスト

セロトニンとドパミンの受容体を遮断します。

薬はリスペリドン、パリペリドン、ペロスピロンを覚えましょう。

リスペリドンにはα1遮断作用があるため、アドレナリン反転を起こすため注意が必要です。

統合失調症 SDA 作用機序 分類

 

MARTA

ドパミンやセロトニンの受容体だけでなく、さまざまな神経伝達物質の受容体にくっつき伝達物質の作用を遮断します。

MALTA 統合失調症 作用機序 分類 オランザピン クエチアピン クロザピン

MAR:マルチレセプター、T:ターゲット~

薬は、オランザピン、クエチアピン、クロザピンを覚えてください。

 

ドパミン調節薬

この分類の薬はアリピプラゾールだけです。この薬は頭がいい薬です。

ドパミン受容体の部分作動薬なので、

ドパミンが多すぎるときには遮断薬として、

ドパミンが少なくなりすぎると、刺激薬として働きます。

そのため、統合失調症薬の副作用でよくあるパーキンソン様症状が出にくいという特徴があります。

統合失調症pdf

 

 

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