急性白血病の勉強方法
色々分類はされていますが、大きな治療の流れは同じです。完全寛解(白血病細胞5%以下)に抑え込むことです。
急性と慢性白血病の違いなど全体像は↓こちらをご覧ください
骨髄性とリンパ性の治療の違いは、完全寛解に持ってくための薬が違うだけです。
まず、治療の3段階をみてから、骨髄性・リンパ性の個別に使う薬を見ていきましょう。
治療のゴール:骨髄性、リンパ性ともに完全寛解が続くこと
治療は3段階
- 寛解導入療法で白血病細胞を強力な抗がん剤で一気に減らす(2週間で5%以下に)=完全寛解
→正常な白血球が増えるのを4週間待つ - 地固め療法でさらに減らして再発予防(数ヶ月)
- 維持療法で抗がん剤を少量投与で再発予防(1,2年)
完全寛解の状態が5年以上続けば治癒したと考えられています。
急性骨髄性白血病の治療
急性骨髄性白血病は、分化の度合いでM0~M7まで分類されていますが、治療方法はM3(急性前骨髄球性白血病)以外は同じです。まず通常の治療について見ていきます。
寛解導入療法
完全寛解に持っていくための薬は、シタラビン+ イダルビシンorダウノルビシンです。
ゴロは「急にこくるイシダさん」で覚えましょう。
M3:急性前骨髄球性白血病
この疾患は、15番染色体と17番染色体の間に転座が起こり、遺伝子異常を起こして、
白血球が前骨髄球という未熟な状態から成長できずどんどん増えてしまいます。
さらに困ったことにDICを引き起こすアズール顆粒を作って蓄えてしまうんです。
そこで、成熟できないのなら、成熟させてあげればいいじゃないかということで、
急性前骨髄球性白血病は、寛解導入療法を行う前に分化誘導療法というものを行います。
分化能力のないがん細胞をビタミンA誘導体で無理やり成熟(分化)させて外に出して寿命を迎えアポトーシスで自殺させる。
こうすることで、正常細胞を傷つけずに白血病細胞をへらすことができます。
そのときに使われる薬がトレチノインとタミバロテンです。
このとき、分化させられた白血病細胞がサイトカインを放出し、レチノイン酸症候群(呼吸困難、発熱など)を引き起こすことがあります。
そのときは、ステロイドのパルス療法で対処します。
急性リンパ性白血病
この疾患では寛解導入療法に4つの薬を使います。
L-アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、プレドニゾロン、ドキソルビシンです。
ゴロで覚えましょう。「急にリンちゃん、ビックリ ドキドキ プレゼント Lサイズ」
最後に
慢性白血病やDIC、悪性リンパ腫など血液系の他の疾患はこちらにまとまっています。↓