再生不良性貧血の勉強法
原因での分類分けはあまり薬剤師国家試験には出ではないので、さらっと下記のFanconi貧血などがあることをしっておいてください。
再生不良性貧血とは
まず、再生不良性貧血は造血幹細胞が減ることで起こる疾患です。
血球全部が減るので、症状は、
- 赤血球↓→貧血
- 血小板↓→出血傾向↑
- 白血球↓→感染↑
通常の貧血と違うところは、造血系の根幹が減っているので、血小板・白血球にも影響が出ているところです。
検査値の変動
血球が減ることに体が応答するため、関連する検査値が変動します。
関連項目と検査値の上下の動きを掴みましょう。
まず、造血幹細胞が減るので、赤血球になるまでの細胞(芽球や網状赤血球)はすべて減ります。
・赤血球が減ると、体が赤血球を作らせようと エリスロポエチンが分泌されます。→エリスロポエチン↑
・赤血球のもとが作られないので、材料になる鉄分は余ります。→血清鉄↑
また、出来上がった赤血球は数は少ないですが正常(正球)です。
なので、血液像の検査は問題ありません。
治療
治療は、血球の減り具合で重症度を分けて治療します。
軽症、中等症、重症に分けて使う治療法を覚えましょう。
軽症
タンパク同化ステロイドの内服薬:メテノロンを使います。
造血幹細胞の増殖を促進させます。
中等症
軽症の治療薬(メテノロン)に
追加で抗胸腺細胞グロブリン療法(ATG)を行います。
ATGは、造血幹細胞を攻撃しているT細胞に対する抗体で、T細胞を抑え再生不良性貧血に効果を示します。
重症
重症の場合は、条件が合えば骨髄移植が第一選択です。行わない場合は免疫抑制療法を行います。
骨髄移植
条件は、
- 患者は40歳以下(若いほどいい)
- 骨髄提供者がいる
- HLA一致
免疫抑制療法
免疫抑制療法では、
- 抗胸腺細胞グロブリン療法(ATG)
- シクロスポリン内服
を覚えておきましょう。
支持療法
再生不良性貧血では白血球が減り、感染症にかかりやすくなります。
好中球が減ってきた時は、G−CSF製剤を使い、好中球を増加させます。