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悪性貧血の原因と治療
悪性貧血は、ビタミンB12の欠乏によって起こる巨赤芽球貧血の一つです。
巨赤芽球貧血とは、ビタミンB12や葉酸の不足によって、赤血球の核がうまく成長できず巨大な赤芽球が作られることによって起こる貧血です。
ビタミンB₁₂は胃の壁細胞から分泌される内因子と結合し、小腸から吸収されます。
なので、悪性貧血の原因となるものは、以下の3通り。
- 胃がない←胃の全摘
- 自己抗体が内因子を邪魔している
- 抗壁細胞抗体が生じている
- 抗内因子抗体が生じている
不足しているビタミンB₁₂(シアノコバラミン)を体の中に補えばいいだけの話なんです。
大切なのは投与方法です。
胃が無いときも、自己抗体が原因の場合も、内因子が使えず、経口ではどのみち吸収できません。
なので、シアノコバラミンを注射(筋中・静注)で投与します。
症状
症状はビタミンB₁₂の欠乏症と同じです。
薬剤師国家試験の病態で覚えておいて欲しいものは、神経系の障害です。
末梢神経障害として、四肢の痺れが出ます。
また、長期間、ビタミンB₁₂が不足している状態だと不可逆的な脊髄変形症になることがあります。
検査
MCV(平均赤血球容積)が増えます。
これは、核以外は栄養があるので育っていくためです。
また、原因になっている抗壁細胞抗体や抗内因子抗体が陽性になります。