甲状腺機能低下症 自己抗体が甲状腺を破壊する

   

バセドウ病 橋本病 病態 

甲状腺機能低下症とは??

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌低下、作用不足により生じる病態です。

甲状腺ホルモンの生合成、作用についてよくわからない人はこちらで確認してください。

 

 

甲状腺機能低下症は

  • 甲状腺性
  • 下垂体性
  • 視床下部性

に分けられます。

甲状腺機能低下症の大半は橋本病で、甲状腺性です。慢性甲状腺炎ともいいます。

自己免疫性甲状腺炎で、自己抗体が甲状腺を破壊する事で起こります。

慢性甲状腺炎で陽性を示す自己抗体は

  • 抗チログロブリン抗体
  • 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)

があります。

カタカナだな位に覚えておけば国試では問題ないです。

 

ホルモンの動きはTSHに着目しましょう。

甲状腺性のみTSHが高値を示します。甲状腺自体がダメになるために甲状腺ホルモン(T₃、T₄)の分泌量が減っているので、ネガティブフィードバックがかかりTSHは増えます。

 

橋本病とは??

 橋本病は甲状腺機能低下症の中で最も多い疾患で、特に女性に多いです。

症状は甲状腺ホルモンの逆の作用、バセドウ病の逆と考えましょう。

バセドウ病がよくわからなければ確認しましょう。

 

 

代謝機能が抑制されるので、血中コレステロールの上昇冷え性、皮膚の乾燥などが見られます。

β受容体にも関与するので徐脈や血圧低下も生じます。

 粘液水腫と呼ばれる、圧痕を残さない浮腫も特徴的な症状です。グリコサミノグリカンというムコ多糖類が皮下組織に沈着する事で起こります。声帯に浮腫が起こると嗄声が生じます。

うつ症状や思考力の低下なども症状の一つです。

クレチン症とは??

 クレチン症は先天性で甲状腺の形成不全による甲状腺ホルモンの分泌低下が原因です。

橋本病と違い性差はほとんどありません。

症状には知能精神発達の遅れ、低身長(四肢が短い)が見られます。

検査

検査では

  • 血中T3、T4の低値
  • 血中TSH上昇

を見ます。

治療

治療ではホルモンの補充療法を行います。

基本的にはT4製剤を使用します。T3は作用が強いですが心筋梗塞などの副作用のリスクも上がるので、粘液水腫による昏睡の場合に限られて使用されます。

 

補充療法をするときには副腎機能低下がないか確認します。

副腎機能低下がある場合には

 副腎皮質ホルモン→甲状腺ホルモン

の順番で投与します。

先に甲状腺ホルモンを投与すると代謝が亢進し、副腎皮質ホルモンの代謝も亢進しさらに副腎皮質ホルモンが欠乏します。結果、副腎クリーゼ(急性副腎不全)が起こるので、これを予防するために必ず

副腎皮質ホルモン→甲状腺ホルモンの順番に投与します。

 

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 - 内分泌系疾患, ホルモン系疾患