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リウマチの病態をわかりやすく解説【薬剤師国家試験対策】

リウマチってどんな病気??

 リウマチは関節の滑膜が増えることで多発関節炎を引き起こす全身性炎症疾患です。

IgG自己抗体であるリウマトイド因子免疫複合体を形成します。免疫複合体は滑膜細胞に沈着し炎症を引き起こし、滑膜が増えます。増えた滑膜のことをパンヌスといいますが、パンヌスからIL-6TNF-α、MMP3が放出されることで炎症、骨破壊が進行します。

 

疫学的には女性が発症しやすく、リウマチ患者の20%は間質性肺炎を合併します。

病因は3型アレルギー反応です(感染による環境要因、遺伝的要因も病因とされている)。

 

症状は??

症状は滑膜炎です。

初期症状で朝のこわばりが見られます。少関節から左右対称性に進行していきます。

長期に進行するとスワンネック変形ボタン穴変形外反母趾などが見られます。

また第1関節、第2関節はDIP、PIP関節と呼ばれDIPは障害が起きにくいです。

ボタン穴変形などの障害が見られるのはPIPが多いです。

検査は??

 検査は炎症所見と生化学検査の2種類があります。

炎症所見

 赤血球沈降速度の亢進とCRPの高値が見られます。

赤血球沈降速度とは名前の通り、赤血球が沈降する速度により病気の有無を検査する方法です。

 

原理について確認しましょう。

赤血球は負に帯電していて、お互いに反発しあい凝集しにくくなっています。しかし、リウマチなどの炎症疾患では、炎症により正電荷に帯電したタンパクが増加し、赤血球の凝集が促進され、沈降速度が亢進します。

生化学検査

  • リウマトイウド因子陽性
  • 抗CCP抗体陽性
  • MMP-3上昇

を押さえましょう。

リウマトイド因子

リウマチでは自己抗体ができますが、その中の1つがリウマトイド因子です。

リウマトイド因子が高くなると陽性となり、リウマチが疑われます。しかし患者のうち70~80%しか陽性とならないのでリウマチの確定診断となる指標ではありません

 

抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体

抗CCP抗体はリウマチ患者に対して、高特異性を示します。

早期のリウマチにも検出されることから早期診断にも利用されています。

 

マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)

 MMP-3は滑膜組織で作られる酵素で、関節炎が起きると増加します。リウマチの診断の補助で使用されます。

 

補体価

補体価は場所により変動が違うので注意しましょう。

関節内で起きている炎症に対して補体が消費されるので関節液中では補体価は低下します。

関節液内で補体が消費され不足するので血清中から関節液内へ補体を送ろうとするために血清中では補体価が上昇します

リウマチに血管炎を合併したものを悪性関節リウマチと言います。悪性関節リウマチの場合には補体価は低下しします。

 

リウマチの薬理と薬物治療は別のページにまとめます。

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