この記事では第Ⅰ相反応のCYPによる酸化をまとめます。
細かい化学反応式は覚えなくても、こういう物質がCYPで酸化を受けやすいとおぼえておけばOKです。
マインドマップで体系的におぼえましょう!!
端っこのCは酸化されやすい
まず端っこの炭素(C)は酸化されやすいことを知っておきましょう。
上の図のようにそれぞれ第1級アルコール、第2級アルコールができます。
アリル位と、ベンジル位の炭素(C)も酸化されやすいです。
アルキル基の酸化
NやOを持つアルキル基は脱アルキル化を受けます。
NやOの隣の炭素(α位)は酸化されやすく、アルキル基と同じ炭素数のアルデヒドができます。
代表的な脱アルキル化反応は知っておきましょう。
O-脱アルキル化
N-脱アルキル化
N-水酸化
NとS原子は直接、酸化されます。主にN-水酸化が問われやすいです。
代表的なN-水酸化にアニリンがあります。
アニリンからできるフェニルヒドロキシルアミンはメトヘモグロビン血症の原因になります。
酸化は基本的にCYPにより起こりますが、3級アミンの場合はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)で起こることが多いのも特徴です。
エポキシ化
2重結合のエポキシ化ではエポキシドが生じます。
代表的なものにベンゾ[a]ピレンがあります。ベンゾ[a]ピレンは最終的に発がん性物質になるのも有名です。
スッチービビって便所でアフロ
- スッチー:スチレン
- ビビって:塩化ビニル
- 便所で:ベンゾ[a]ピレン
- アフロ:アフラトキシン
エポキシ化で発がん性物質が生じるもののゴロなので一緒に覚えましょう。
酸化的脱硫反応
酸化的脱硫反応は名前の通り、Sが抜けて酸素が入ります。
パラチオンの反応が有名です。
P450により酸化され、脱硫反応を起こすとP=O(オキソン型)が生じます。パラチオンはパラオキソンになり毒性を増します。
まとめ
ポイント
- 端っこの炭素が酸化されやすい
- N,O-脱アルキル化ではアルキル基と同じ炭素数のアルデヒドが生じる
- エポキシ化は「スッチービビって便所でアフロ」
CYPによる酸化以外の第Ⅰ相反応はこちらにまとめてあります。