溶血性貧血の概要と勉強のポイント
溶血性貧血の種類はたくさんありますが、薬剤師国家試験に出題されやすい溶血性貧血は、自己免疫性溶血性貧血のみです。
貧血の原因は、赤血球に自己抗体が付き、脾臓で破壊されてしまうからです。なので治療は、血小板に自己抗体がつく紫斑病と同じです。
自己免疫性溶血性貧血は検査項目が多いですが、出題されやすいのはここだけなので、頑張って覚えましょう。
赤血球の破壊の流れとヘモグロビンの再利用
少し複雑なので、前半と後半に分けて考えてみます。
- 前半:赤血球の破壊の流れ
- 後半:赤血球の中身が流出→検査値
前半戦:赤血球の破壊
破壊の流れは、
- 赤血球に抗赤血球抗体がくっつき、脾臓に運ばれる
Coombsテスト(クームス試験陽性)→抗赤血球抗体が存在する - 脾臓でマクロファージに貪食され中身は流出→後半戦へ
- 赤血球が減るので、体が赤血球を増やそうと網状赤血球(赤ちゃん細胞)を増やす
後半戦:赤血球の中身と検査値の変化
赤血球が崩壊するので、中身が血中に放出されます。
- 赤血球に含まれるAST、LDHが血中へ→AST↑、LDH↑
- 中身のヘモグロビンは
- 複合体「Hb+ハプトグロビン」をつくり肝臓へ回収
→ハプトグロビンは運搬で消費され減る↓ - 回収されたHbは分解→ビリルビン+鉄
→ビリルビン↑で黄疸の症状、鉄は再利用
- 複合体「Hb+ハプトグロビン」をつくり肝臓へ回収