鉄欠乏性貧血:赤血球≒カスカスなジャンボシュークリーム?

      2019/11/11

鉄欠乏性貧血のマインドマップ まとめ 病態 薬一覧 薬剤師国家試験

勉強のポイント

鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンを作る材料のヘム鉄が不足して起こる貧血です。

ポイントは2つ。

  • 鉄代謝=体の中の鉄の運搬
    →鉄欠乏性貧血特有の検査値の変動が理解できる。
  • 鉄の力価:2価・3価、体が必要なのはどっちか?
    →治療薬や相互作用を理解できる。

鉄代謝と検査値

そもそも貧血とは

最終段階のヘモグロビンが減った状態で「貧血」と診断されます。

貧血状態でのヘモグロビンの検査値は、
Hb:~11g/dl
を覚えておきましょう。

ヘモグロビン 検査値 覚え方 ゴロ

鉄欠乏の指標

鉄欠乏の指標は大きく分けると2つあります。

  1. 鉄代謝
    :鉄の貯蔵や運搬に係る指標
  2. 赤血球恒数
    :赤血球自身の「出来栄え」(大きさや中身)についての指標

鉄代謝

鉄代謝については、運送会社を考えればイメージ付きやすいです。

鉄代謝 鉄欠乏性貧血 総鉄結合能 不飽和鉄結合能 トランスフェリン 血清鉄 ヘモグロビン

鉄は、肝臓や脾臓に貯蔵され(貯蔵鉄=フェリチン)、
トランスフェリン(上記のトラック)によって運搬され、
最終的にHbが合成されます。

指標
  • トランスフェリンにFeを積んでいるものを血清鉄
  • トランスフェリンにFeを積んでいないものを不飽和鉄結合能
  • トランスフェリン(トラック)の台数が総鉄結合能

という3つの指標を使って貧血の診断をしていきます。

結果

鉄欠乏性の場合、頑張って鉄を運びたいので、

総鉄結合能 不飽和鉄結合能 トランスフェリン 血清鉄 鉄欠乏性貧血

①まず、総鉄結合能(トランスフェリンの台数)は増えます。

②運び出すので貯蔵鉄(フェリチン)は減る

不飽和鉄結合能(荷台の空いてるトラック)は増え
血清鉄(鉄を積んでるトラック)は減る

赤血球恒数

赤血球恒数からわかることは、赤血球の大きさと中身の量です。

鉄欠乏性貧血の患者の
赤血球のイメージは、「カスカスジャンボシュークリーム」です。

MCH MCHC MCV 覚え方 赤血球恒数

指標が3つあり、鉄欠乏性貧血では、3つすべての値が下がります。

アルファベットの略語も覚えてください。
(M=平均、C=濃度、V=体積、H=ヘモグロビン)

  • 平均赤血球色素量MCH:中身のヘモグロビンの量です。
    中身のカスタードが少ない
  • 平均赤血球容積MCV:赤血球の大きさ
    シュークリームの皮は大きい
  • 平均赤血球色素濃度MCHC:ヘモグロビンの量/赤血球の体積
    シュークリームの大きさに対するカスタードの量は少ない

治療

化学や生物でも出てきますが、ヘモグロビンに使われるヘム鉄はFe²⁺の二価の鉄です。

食べ物から鉄分を取る時、Fe²⁺が吸収されます。

  • 動物の赤身肉に含まれるのはFe²⁺で、吸収されやすいです。
  • ほうれん草などの植物に含まれているのは3価の鉄Fe³⁺です。
    Fe³⁺+e-→Fe²⁺に還元して取り込まれます。

つまり、植物由来の鉄を摂取→吸収するときに効果を発揮するのが
抗酸化作用(=還元作用)を持つビタミンCです。

治療薬は2価の鉄剤

  • 経口では
    クエン酸第一鉄、硫酸鉄を使います。
  • 注射剤では
    シデフェロンを使います。

また、鉄を入れすぎてしまった場合は、解毒薬としてデフェロキサミンを使います。
キレートして鉄を排出します。
デ:出す
フェロ:鉄

補足:
・第一鉄=2価の鉄(Fe²⁺)
・第二鉄=3価の鉄(Fe³⁺)

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2019/11更新:薬理分野70枚と病態分野70枚のマインドマップをそれぞれ1つのPDFにまとめました。
https://note.mu/yakugaku_gokakuのURLからダウンロード可能です。

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