この記事ではCa調節に関連するパラトルモン、カルシトニンについてまとめました。
Caは骨粗鬆症や腎の疾患など多くの疾患に関わります。
生物範囲の基本事項をおさえれば、病態や薬理の理解がふかまりますよ!
カルシトニンとパラトルモンはCa調節に関わる
カルシトニンと副甲状腺ホルモンはCaに関連するホルモンなのでセットで抑えましょう。
体内のCaの殆どは骨に存在します。
体内のCaのバランスは腸管からの吸収と尿などへの排泄により取られています。
それぞれの作用と作用点の違いを理解しましょう。
カルシトニンの作用
カルシトニンは甲状腺傍濾胞細胞から分泌されます。
血中Caを下げるように働きます。
具体的な作用は
- 骨吸収抑制作用
- 尿細管でのCa₂+の再吸収抑制
により血中Caの減少させます。
骨粗鬆症の範囲でもよく聞かれるのでカルシトニンの働きは必ず抑えましょう!
副甲状腺の構造
パラトルモンは副甲状腺から分泌されるので副甲状腺の構造は抑えておきましょう!
副甲状腺は甲状腺の裏側に存在します。
副甲状腺という名前ではありますが全く別の臓器です。
米粒半分くらいの大きさで左右に2個ずつ(計4個)存在します。
パラトルモンの作用
パラトルモンはカルシトニンと逆で、血中Caを上げるように働きます。
具体的には
- 骨吸収促進
- 尿細管でのCa₂⁺再吸収促進
- 活性型Vd₃生成促進
による血中Ca濃度の上昇です。
パラトルモンのCa調節機構
副甲状腺細胞からPTHが分泌されます。
PTHはPTH/PTHrP受容体を刺激し、骨吸収の促進やビタミンD活性化作用を示します。
血中のCa濃度が上がりCa受容体を刺激するとPTHの分泌を抑制します。
この流れにより体内のCaの濃度を調節しています。
パラトルモンが関わる疾患に副甲状腺機能亢進症があります。
副甲状腺機能亢進症はこちらにまとめてあります。
まとめ
ポイント
- カルシトニンは甲状腺濾胞細胞から分泌
- 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)は副甲状腺から分泌
- カルシトニンは血中Caを下げて、副甲状腺ホルモンは上げるように働く
甲状腺ホルモンの働きや生合成についても確認しましょう!