この記事では腎不全からの発生機序と症状、使用する薬を説明します。
薬は対処療法で色々な薬が使用されますが、副甲状腺ホルモン自体に作用するのはシナカルセトと、エボカルセトの2つだけです。
覚えるべき項目は多くないので、簡単に得点源になりますよ!!
原発性と続発性の違い
副甲状腺機能亢進症には
- 原発性
- 続発性(二次性)
の二種類があります。
原発性副甲状腺機能亢進症
原発性は副甲状腺に腫瘍や過形成で生じます。
PTHの過剰分泌により血清Caが高くなります。
続発性副甲状腺機能亢進症
メインはこの続発性です。
続発性(2次性)は、副甲状腺以外の病変による低Ca血症が原因です。
腎不全からなることが多いです。
腎不全が苦手な人はこちらで確認しましょう!
他病変による低Ca血症により、Ca濃度をあげようと代償性にPTHの産生が亢進します。
血清Ca濃度が低値~正常値を示すのが原発性と異なります。
慢性腎不全では活性型ビタミンD3の産生が低下します。
小腸からのCaの吸収が低下することで血中のCa濃度が低下します。
またリンの排泄も低下します。血中のリン濃度が上昇します。
Caの低下とリンの上昇の2つがPTHの分泌亢進します。
PTHが出続けることで血中Ca濃度の上昇と、骨吸収の亢進が起こります。
症状
副甲状腺ホルモンには破骨細胞の骨吸収の促進効果があります。
これにより骨密度が低下し、骨がもろく骨折しやすくなります。
活性型ビタミンD₃の生成促進作用もあるので、腸管からのCaの吸収も上がります。
そのため血中のCa濃度は上がります。
血中のCaが上昇し、リンと結合して、皮膚や血管壁などに沈着する異所性石灰化が生じます。
これにより皮膚にかゆみを感じたり、血管の弾力性が失われ、心血管系のリスクが上がります。
治療
2次性副甲状腺機能亢進症で抑えておきたいのが
- シナカルセト
- エボカルセト
です。
透析下での2次性副甲状腺機能亢進症に使用されます。
作用機序は副甲状腺細胞表面のCa受容体を刺激してパラトルモンの分泌を抑制します。
他にも治療に使われる薬は、対症療法的にループ利尿薬やビスホスホネート系、H2 ブロッカーなど豊富です。
まとめ
ポイント
- 2次性副甲状腺機能亢進症は腎不全が原因でなることが多い
- Ca濃度をあげようと代償的にPTHが分泌される
- 透析下ではCa受容体刺激薬のシナカルセト、エボカルセトが使われる