衛生 化学物質の影響

第1相反応を分かりやすく解説【薬剤師国家試験対策】

 

代謝の第1相反応て覚えるの大変そうだな。酸化反応以外何があるの??

代謝反応は頻出ですが、化学の分野みたいに反応を覚えなくては!と苦手意識がある人も多いですよね。

この記事では第Ⅰ相反応の還元反応、加水分解、アルコール代謝についてまとめます。
CYPによる酸化はボリュームが有るので別のページにまとめます。

 

マインドマップで体系的に整理すれば難しくないですよ!

 

還元反応

還元反応には脱ハロゲン反応腸内細菌が起こす還元反応の2つがあります。

脱ハロゲン化

薬剤師国家試験 脱ハロゲン化 第1相反応 CYP 酸化

 脱ハロゲン化反応のポイントは

「かっかっかっか!」です。

四塩化炭素の還元反応(脱ハロゲン化)を知っておきましょう。

四塩化炭素がP450により脱ハロゲンしてトリクロロメチルラジカルになります。
トリクロロメチルラジカルは肝障害の原因になるのを知っておきましょう。

 

腸内細菌

腸管には酸素が少ないので還元反応と覚えましょう。

ニトロ基アゾ基の還元反応が起こります。

ニトロ基の還元

 ニトロベンゼンは還元されニトロソベンゼンになります。

更にニトロソベンゼンが還元されるとフェニルヒドロキシルアミンへと変化します。

フェニルヒドロキシルアミンはメトヘモグロビン血症の原因になります。

 

アゾ基の還元

 アゾ基の還元的開裂にはプロントジルサラゾスルファピリジンの反応を押さえましょう。

Nの2重結合は開裂されアミノ基になります。

プロントジルは還元を受けてスルファニルアミド(抗菌作用)とトリアミノベンゼンになります。
トリアミノベンゼンはメトヘモグロビン血症の原因になります。

 

サラゾスルファピリジンも還元反応を受けて、スルファピリジンと5-アミノサリチル酸に分けられます。
5-アミノサリチル酸は抗炎症作用で潰瘍性大腸炎の薬として使用されてます。

加水分解

 プロカインエポキシドの反応を押さえましょう。

プロカインではエステラーゼによる加水分解が見られます。

プロカインからp-アミノ安息香酸とジエチルアミノエタノールができます。

 

エポキシドではヒドロラーゼが反応してジオール体ができます。

 

アルコール代謝

 アルコール代謝は一連の流れを押さえましょう。

エタノールは細胞質でアルコール脱水素酵素(ADH1B)によってアセトアルデヒドに酸化されます。
アルデヒドになる反応は1部、CYP2E1によってもおこります。

アセトアルデヒドは悪酔いの原因です。

アセトアルデヒドはミトコンドリア内のALDHにより酢酸に酸化され無毒化されます。

この反応の律速は、最初のエタノールからアセトアルデヒドの反応です。
日本人ではADHの活性は高いですがALDHの活性が低いです。
これはアセトアルデヒドが残りやすいということなので日本人はお酒に弱いとなるわけです。

まとめ

ポイント

  • 脱ハロゲンは「かっかっかっか!」が大切
  • ニトロベンゼンからできるフェニルヒドロキシルアミンはメトヘモグロビン血症の原因に
  • アルコール代謝はADHの反応が律速で日本人はALDHの活性が低いから2日酔いになりやすい

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