生物分野の循環器、血管の構造と血圧調節機構についてまとめました。
血管の構造は動脈、静脈、毛細血管の特徴を押さえましょう。
血圧調節機構は3つの作用が大切です。
血圧は降圧薬と一緒に覚えると効率です。
所々に関連する分野のリンクを張ったので自信がない人はそちらで確認してみましょう!
血管の種類と構造
血管は動脈と静脈、毛細血管の3つあります。
動脈
動脈は心臓から血液を送り出すための血管です。
3つの層(内膜、中膜、外膜)からなり、壁が厚いのが特徴です。
大動脈と中型動脈、小動脈では特徴が異なります。
大動脈は中膜の弾性繊維が発達しています。
この弾性により血圧や血液量の変化に対応できます。
中型動脈と小動脈は平滑筋細胞が発達してます。
平滑筋は自律神経の調節を受けて収縮することで血圧や血流量を調節します。
静脈
静脈は心臓に血液をもどす血管です。
動脈と同じで3つの層からなります。
特徴は血液の逆流を防ぐために弁がついています。
また動脈に比べて薄く、内腔が広くなっています。
毛細血管
毛細血管は血液と組織で物質交換するための血管です。
血管壁は1層の内皮細胞からできています。
そのため、液成分は血液側から組織に移行できますが、タンパクなどの高分子は透過できません。
タンパク質では毛細血管は半透膜のようになります。
血液と組織との間に浸透圧が生じ、膠質浸透圧といいます。
膠質浸透圧により血管内に水分が引っ張られます。
浮腫が見られる代表的な病態がネフローゼ症候群です。
タンパクが尿中に漏れ出るので血中タンパク濃度は下がリます。
膠質浸透圧は下がるので血管内に水を引っ張る力も弱くなるので浮腫になるというわけです。
血圧の調節
血圧は心拍出量×末梢血管抵抗
で定義されます。
血圧の調節には色んな因子があります。
頸動脈洞・大動脈弓反射
頸動脈と大動脈の血圧が上がると、圧受容器が刺激され延髄の心臓中枢に刺激が伝わります。
この刺激が迷走神経を興奮させ、心拍数、心収縮力を減少させます。
頸動脈小体・大動脈小体反射
血液中のCO₂が増え、O₂が減少した状態になると頸動脈小体と、大動脈小体の化学受容器が刺激され
- 延髄の心臓中枢を刺激し交感神経が興奮して心拍数が上昇します。
- 呼吸中枢が興奮して呼吸が促進されます。
の2つの反応が起こります。
血圧低下時の調節機構
血圧が低下すると、3つの作用で血圧が上昇し血圧調節されます。
- 圧受容体反射
- 腎からのレニン分泌
- 間質液の毛細血管への移動
1の圧受容体反射は先述した頸動脈洞・大動脈弓反射のことです。
2のレニン分泌はレニン・アンギオテンシン系の話に繋がります。
レニン・アンギオテンシン系は高血圧の薬と一緒に抑えるとわかりやすいですよ!
3は間質液の移動が重要です。毛細血管の血圧が低下すると、血管の周りの間質液が毛細血管内へと移動します。
結果、心臓に戻る血液量が増加して心拍出量も増えるというわけです。
まとめ
ポイント
- 動脈と静脈は3つの層からなる
- 膠質浸透圧は水を血管内に引っ張るのに大切
- 血圧低下時は圧受容体反射、レニン分泌、間質液の移動の3つが起こる