血糖ってどうやって調節されてるの?
重要なのは何?
本記事の内容
グリコーゲン分解は3つの反応でできている
国家試験で大切なポイントを押さえながら反応を解説
血糖値は複数のホルモンで調節されている
グリコーゲン合成がよくわからない人はこちらをチェック!↓
Contents
グリコーゲン分解を分かりやすく解説
グリコーゲンの分解は血糖値を維持するため行われます。
グリコーゲンからグルコースになるまでは3つの反応でなります。
途中でできるグルコース-6-リン酸は、肝臓か、筋肉かで目的が違います。
血糖値の維持には複数のホルモンが関わります。
勉強のポイント
- グリコーゲンはグリコーゲンホスホリラーゼによりグルコース-1-リン酸になる
- グルコース-6-リン酸は肝臓か筋肉かで運命が違う
- 血糖はホルモンにより調節されている
以上3つを中心に見ていきます。
グリコーゲン反応は3つの反応
①グリコーゲン→グルコース-1-リン酸
グリコーゲン分解のはじめは
「グリコーゲン→グルコース-1-リン酸」です。
グリコーゲンホスホリラーゼにより触媒されます。
ホスホリラーゼは,ある化合物と無機リン酸を気質としてリン酸化(or加リン酸分解)する酵素です。
グリコーゲンから切り出されるグルコース残基がリン酸イオンと反応して加リン酸分解でグルコース-1-リン酸ができます。
グリコーゲンホスホリラーゼはグリコーゲンの末端からグルコースを切り離していきます。
②グルコース-1-リン酸→グルコース-6-リン酸
「グルコース-1-リン酸→グルコース-6-リン酸」
はホスホグルコムターゼにより起こります。
この反応は可逆的なのでグリコーゲン合成のときとは向きが逆なだけですね。
ムターゼ→同一分子内の官能基を他の場所に移す酵素
(動く→ムーブ→ムターゼ繋がりでなんとなく頭に入れておきましょう)
グルコース-6-リン酸は肝臓か筋肉かで運命が違う
グルコース-6-リン酸は肝臓ルートと、筋肉ルートの2つの道があります。
これはグルコース-6-リン酸をグルコースにするグルコース-6-ホスファターゼの有無の違いです。
- 肝臓ルート→グルコース-6-ホスファターゼある→グルコースにして血中に流す
- 筋肉ルート→グルコース-6-ホスファターゼない→グルコースにできないから解糖系へ
肝臓のグリコーゲンは血糖値を維持するため、
筋肉では筋肉自身のエネルギー源として貯蔵されていることがわかります。
③グルコース-6-リン酸→グルコース
肝臓ルートではグルコース-6-ホスファターゼがあるので
「グルコース-6-リン酸→グルコース」ができます。
ホスファターゼは脱リン酸化酵素のことです。
できたグルコースは肝臓から血中に放出されて血糖値の維持に役立ちます。
グリコーゲン代謝はホルモンで調節
血糖値の維持はホルモンによって調節されています。
- 血糖を下げる→インスリン
- 血糖を上げる→グルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモンなど
血糖値を上げるホルモンは複数ありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。
高血糖より低血糖のほうが危ないと聞きますよね。
それを考えると血糖上昇ホルモンが複数あるのは自然なことです。
インスリン
インスリンは唯一血糖を下げるホルモンです。
- インスリンにはグリコーゲン分解を抑制
- 解糖系を促進
する効果があります。
詳しい作用機序は覚える必要はありません。
インスリン受容体の働きやインスリン分泌の流れは押さえておきましょう。
グルカゴン
グルカゴンは膵臓のランゲルハンスA細胞から分泌されます。
グルカゴンがGsタンパク質共役型だったのを思い出しましょう。
(よくわからない人はこちらを確認↓)
Gs共役型なので、
アデニル酸シクラーゼ活性化
→cAMP↑
→プロテイキナーゼA(PKA)活性化
が起こります。
PKAが活性化されることで、反応①グリコーゲンホスホリラーゼがリン酸化されて活性化します。
これにより、グリコーゲンの分解が促進され、血糖が上昇します。
まとめ
ポイント
- グリコーゲンはグリコーゲンホスホリラーゼによりグルコース-1-リン酸になる
- グリコーゲンホスホリラーゼはグルカゴンにより活性化されグリコーゲン分解を促進
- グルコース-6-リン酸は肝臓ではグルコースにされ血糖の維持へ
- グルコース-6-リン酸は筋肉ではグルコース-6-ホスファターゼないので解糖系へ