そこまで複雑そうでは無いけど、ぱぱっと勉強したいな
本記事の内容
グリコーゲン合成は4つの反応でできる
国試で覚えるべき3つのポイント
Contents
グリコーゲンの合成を分かりやすく解説
エネルギー源であるグルコースを、貯蔵するためにグリコーゲン合成します。
肝臓と筋肉で行われます。
グルコースからグリコーゲンまでは反応が4つあります。
おさえるべきは
- グリコーゲン合成にはエネルギー(UTP)が必要
- UTPとグルコース-1-リン酸からUDP-グルコースができる
- UDP-グルコースにグリコーゲンシンターゼが作用してグリコーゲン合成される
です。
エネルギーがあるうちにエネルギー(UTP)を使って、
グルコースを緊急時に備えてとっておこう!
という感じです。
ざっくりとした流れと、上記のポイントだけわかれば大丈夫です。
グリコーゲン合成は4つの反応
材料であるグルコースからグリコーゲンができるまでには4つの過程があります。
特に大事なのが
③グルコース-1-リン酸→UDP-グルコース
④UDP-グルコースがグリコーゲンシンターぜによりグリコーゲンへ
です。
上記のポイントを中心に見ていきましょう。
①グルコ-ス→グルコース-6-リン酸
最初の反応は
グルコース→グルコース-6-リン酸
への反応です。
これは解糖系の最初の反応と同じです。
ヘキソキナーゼによって触媒されます。
解糖系におけるポイントは不可逆、ATPが必要でしたね。
②グルコース-6-リン酸→グルコース-1-リン酸
グルコース-6-リン酸→グルコース-1-リン酸への反応は、
ホスホグルコムターぜという酵素で触媒されます。
ホスホ→リン酸化
グルコ→グルコース
ムターゼ→同一分子内の官能基を他の場所に移す酵素
この反応ではリン酸基が移されています。
③グルコース-1-リン酸→UDP-グルコース
「グルコース-1-リン酸→UDP-グルコース」ではUTPが必要です。
UTPはATPのアデニン(A)がウラシル(U)に変わったやつです。
UTPと反応することでグルコースは活性型となり、グリコーゲンにくっつけるようになります。
反応は、UDP-グルコースピロホスホリラーゼという酵素が触媒します。
④UDP-グルコース→グリコーゲン
国試的には
「UDP-グルコースがグリコーゲンシンターゼによりグリコーゲンを作る」
で十分です。
実際は、UDP-グルコースを使ってグリコーゲンを伸ばしていくが正しいです。
グリコーゲンを作るのに必要な酵素は2つです
- グリコーゲンシンターゼ→グリコーゲン(鎖)にα1→4グリコシド結合でグルコースをくっつけていく→鎖を伸ばす
- 分岐酵素→グリコーゲンの鎖を切って、別の場所に移動させて分岐させる(α1→6グリコシド結合)
イメージは↓の感じです。
グリコーゲンシンターゼはグリコーゲンにグルコースをつけていって伸ばしていく。
伸びたグリコーゲン鎖を切って他の所にくっつけ、分岐させるのが分岐酵素です。
⓪本当のグリコーゲンの始まりはグリコゲニンから
覚える必要は無いですが、気になるところが
「始まりのグリコーゲンはどこから来たか?」です。
これはグリコゲニンというタンパク質からスタートします。
グリコゲニンはグリコーゲン合成のプライマー的な役割をします。
グリコゲニン自身にグルコースがついていきます。
ある程度グルコースがついて大きくなると、④グリコーゲンシンターゼと分岐酵素でUDP-グルコースをどんどんくっつけるようになります。
グリコーゲンが分岐しているのはエネルギー効率がいいから
そもそもグリコーゲンをなぜ分岐させるかというと、短時間で効率よくグルコースを得られるからです。
グルコースはグリコーゲンの端っこから切れていきます。
そのため分岐が多いほうが直鎖状より効率よくグルコースを取り出せるという仕組みです。
まとめ
ポイント
- グリコーゲン合成にはエネルギー(UTP)が必要
- UTPとグルコース-1-リン酸からUDP-グルコースができる
- UDP-グルコースにグルコースシンターゼが作用してグリコーゲン合成される
次はグリコーゲン分解を見ていきましょう!