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学ぶこと
今回は脳の構成と各部位の主な機能について解説します。
ポイント
薬剤師国家試験で問われること
- 脳の構成
尾状核と被格を合わせて線条体というとか - 各部の脳の機能
視床下部は自律神経の中枢であるとか
Ⅱは覚えるだけなので、Ⅰの脳の立体構造を把握できればOKです。
立体の把握ができたら、テキストに載ってる断面図とかもすんなり理解できます。
脳全体の構造は大と中の間・中と小の架け橋→その延長
まずはざっくり、脳の構成をおさえましょう!
- まず大中小脳を描く
- 大と中の間に間脳
- 中と小の架け橋に橋
- その延長に延髄
大脳
大脳の構成に入っていきましょう。
大脳は大脳皮質・大脳髄質・大脳辺縁系・大脳基底核から構成されています。
大脳皮質は一番外側の3mmくらいの厚さ。りんごで言うと皮の部分です。
大脳の内側の大脳辺縁系と大脳基底核は視床を取り巻くように配置されています。
大脳髄質が白質、大脳皮質・辺縁系・基底核は灰白質
大脳を輪切りにした断面を見てみると、色の濃いところと薄いところがあります。
- 濃いところが灰白質
神経細胞の細胞体が集まっている - 薄いところが白質
神経の軸索が集ってる連絡通路のような役割場所
大脳髄質が白質で、皮質・辺縁系・基底核は灰白質です。
大脳皮質は皮質の場所と担当する体の機能が対応してる!
大脳皮質の場所と担当する機能が決まっています
なので、
まずは大脳皮質の部位の名前を覚えていきましょう!
左半球で説明します。
大きな溝がいくつかあるので、それに沿って区分けがされています。
ポイント
左上から前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉です。
担当する機能の部位を書き込んでいくと、
ポイント
- 運動野(前頭葉):手足を動かすなど、骨格筋に指令を出す始まりの部分。
- 体性感覚野(頭頂葉):痛覚、触覚、温覚の知覚
- 視覚野(後頭葉)
- 聴覚野(側頭葉)
- 言語中枢:優位半球(右利きの人は左脳が優位半球)にある
- ブローカ野(前頭葉):傷害起きると→言葉を理解できるが話せない
- ウェルニッケ野(側頭葉):傷害起きると→話せるが言葉を理解できない→無意味な言葉を流暢に喋ったり
薬剤師国家試験では以上の6分野の場所と名前を覚えておきましょう。
平面的に書くとこんな感じ
メモ
覚えてるか確認するときは、この図を書けるか試してみましょう!
大脳辺縁系と大脳基底核
大脳の内側に進みましょう。辺縁系と基底核の絡みが複雑なので、動画を用意しました。
脳の中心構造が理解できれば、
右の断面図や水平に切った断面図を見たときにも、部位が理解できると思います。
いくつか3Dの図を載せておくので、色々いじくりまわしてみてください。
参考
大脳基底核のポイント
組み合わせと機能をおさえておきましょう。
大脳基底核の機能
大脳基底核は、体がスムーズに動くように視床を介して大脳皮質に抑制をかけ調節している部位です。
抑制が強くなりすぎたのがパーキンソン病です。
大脳辺縁系には記憶の海馬がある
食欲、性欲といった本能と、快不快・怒り不安などの情動を統合したり、記憶の形成に関わっています。
大脳辺縁系は他にも帯状回などありますが、覚えるべきは海馬です。記憶の形成に重要な役割を果たしています。
間脳
間脳は
視床、視床下部、(視床上部)から成ります。
視床の機能
視床は嗅覚以外の感覚情報を集め処理し、大脳皮質へ送ります。
視床下部の機能
視床下部の機能は、
- 自律神経系の調節
- 下垂体機能の調節
- 体温調節中枢
「視床下部→下垂体→効果器(甲状腺ホルモンとか)」の流れは薬理や病態の内分泌疾患の基礎となる部分です。
例えば、こんな感じ。↓
脳幹:中脳、橋、延髄
脳幹は中脳、橋、延髄から成ります。
脳幹で重要な点は、末梢神経の脳神経の起始部であることです。
中脳の黒質の欠損→パーキンソン病
- 黒質
中脳の一部分である黒質にはドパミン作動性神経が多く存在し、大脳基底核に投射し、不随意運動を調節している
黒質がダメになるとパーキンソン病の原因に。 - 動眼神経核
動眼神経(第Ⅲ脳神経)の起始部
橋は呼吸調節中枢がある
呼吸調節中枢であることを覚えておきましょう。
延髄は生命維持に必須
延髄は自律神経反射中枢として生命維持に不可欠な役割を果たしています。
- 呼吸中枢
- 心臓中枢
- 血管運動中枢
- 嘔吐中枢
- CTZ(化学受容器引金帯)
抗がん剤用の制吐薬アプレピタントのが効くのはCTZのNK1受容体でした - 迷走神経核
第Ⅹ脳神経の迷走神経の起始部です
脳幹網様体は脳幹の白質に入ったサシ
中脳・橋・延髄の白質内に網目状に灰白質が広がった部分のことを脳幹網様体と呼びます。
脳幹には、視覚・聴覚・体性感覚といった刺激信号が入り(上行性)、
大脳皮質の活動を亢進させて意識を保たせるシステム=上行性毛様体賦活系があります。
小脳
小脳の機能は、骨格筋による運動の細かな調節です。
自転車に乗る際など、体のバランスを取らないといけない時に働いています。スポーツ選手は小脳がよく発達しています。
小脳に刺激(間違った運動)が入ると、小脳皮質のプルキンエ細胞へその誤差が伝達され、調整されていく。
まとめ
今回は、複雑な脳の中心部について動画や3Dを使って説明しました。
教科書ではなかなか理解がしづらいパートです。
立体構造がわかると覚えやすくなると思います。
活用してみてみてください。