勉強のポイント
ウイルス性、真菌性肺炎はキーワード部分をしっかり押さえれば国試は大丈夫です。
作用機序もよく聞かれるところなので、薬理と一緒に学びましょう。
ウイルス性肺炎
サイトメガロウイルスを覚えましょう。
サイトメガロウイルスはヘルペスウイルス5型(HHV-5 )のウイルスです。
前から5番目が”ガ”で濁点がついているので5型で覚えましょう。
サイトメガロウイルスによる感染は垂直感染や水平感染により起こります。
大半が不顕性感染になります。
そのため、日本人の場合は多くの人が感染経験があり中和抗体を持っています。
発症するときは、宿主が免疫低下状態になったときに起こります。
サイトメガロ肺炎の治療は?
治療で使われる薬は
- ガンシクロビル
- バルガンシクロ
- ホスカルネット
を押さえてください。
機序はウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することです。
覚え方は
CMで頑張るオスカル です。
CM:サイトメガロウイルス
がんばる:ガンシクロビル、バルガンシクロビル
オスカル:ホスカルネット
真菌性肺炎とは?
真菌性肺炎は大部分が日和見肺真菌症で、易感染性宿主に発症します。
原因菌は数多くありますが、国試では
- アスペルギルス
- カンジダ
が重要です。
真菌性肺炎の薬物治療は?
使用される薬は大きく分けて
- アムホテリシンB、ナイスタチン〈ポリエン系〉
- アゾール系(イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール)
- ミカファンギン〈キャンディン系〉
です。
ポリエン系
アムホテリシンBとナイスタチンは真菌の細胞膜に結合して、膜構造を変化させることで透過性障害をおこし真菌を死滅させます。
アゾール系
~ナゾールと語尾に付きます。エルゴステロール(膜成分)合成酵素を阻害することで、細胞膜合成を阻害します。
アゾール系はCYPを阻害するので併用薬との注意が特に必要な薬です。
ミカファンギン
1,3-β-Dグルカンの合成を非競合的に阻害します。