食中毒の植物についてまとめます。
植物性の自然毒は
- アミグダリン、フォゼオルナチン
- ソラニン、チャコニン
- アトロピン、スコポラミン、ハシリドコロ
- アコニチン
- サイカシン
- プタキロシド
の6個に分けて整理していきましょう。
アミグダリン、フォゼオルナチン
ゴロは
あみはファザコン
- あみ:アミグダリン
- ふぁざ:ファゼオルナチン
- コン:CN-(シアン化物イオン)
アミグダリンとファゼオルナチンという2つの毒成分はCN-を遊離することで毒性を示します。
アミグダリンは青梅やあんずに、ファゼオルナチンはキャッサバなどに含まれます。
毒性を示す機序は
アミグダリンが腸内細菌のβ-グルコシダーゼにより分解され、CN-(シアン化物イオン)を遊離します。これが電子伝達系のシトクロムcオキシダーゼを阻害することで内呼吸が阻害され低酸素状態に陥ります。
ソラニン、チャコニン
ソラニンとチャコニンはじゃがいもの芽(発芽部分)にあります。水溶性、耐熱性の毒成分です。
コリンエステラーゼを阻害することでアセチルコリンが上昇し、嘔吐や下痢、腹痛などを起こします。
ソラニンは非糖部分(アグリコン)がステロイド性アルカロイドのソラニジンということも押さえておきましょう。
アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミン
アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミンはチョウセンアサガオ、ハシリドコロ、ベラドンナという植物に含まれる毒成分です。
3つともアルカロイドですべてN原子が含まれます。
症状は抗コリン作用による散瞳や口渇、ふらつきや意識混濁が見られます。
覚え方はゴロで
すごい、ひよこの挑戦朝までとろとろ走る
- すごい:スコポラミン
- ひよこ:ヒヨスチアミン
- 挑戦朝:チョウセンアサガオ
- トロトロ:アトロピン
- 走る:ハシリドコロ
アコニチン
アコニチンはトリカブトに存在する神経毒です。Naチャネルに結合して持続的に活性化することで不整脈や麻痺を生じます。
覚え方は
かぶとかぶったアッコに殺される
- かぶと:トリカブト
- アッコ:アコニチン
サイカシン
サイカシンはソテツに含まれる毒成分で発がん性をしめします。(サシスセソテツで覚えましょう!)
腸内細菌のβグルコシダーゼにより分解されメチルカチオン(CH₃+)を生じて発がん性を示します。水溶性のため水にされすことで除去できます。
プタキロシド
プタキロシドはワラビに含まれる発がん性物資です。代謝的活性は不要で糖の部分が遊離して発がん性を示します。
覚え方は
笑う豚
- 笑う:ワラビ
- 豚:プタキロシド
です。