こんな人多いですよね??
この記事では生物(循環器系)の心臓の構造と刺激伝導系を中心にまとめます。
心臓の働きを知ることで循環器系疾患の理解が深まりますよ!
心臓の構造
心臓は左右にそれぞれ心房と心室があり、右心房、右心室、左心房、左心室の4つに分けられます。
更に血液の逆流を防ぐために、心房と心室の間には僧帽弁、三尖弁、心室と動脈の間には大動脈弁と、肺動脈弁という4つの弁があります。
血液の循環
心臓は全身に血液を送るためのポンプとして働いています。
心房と心室が交互に収縮することで血液を送り出します。
肺循環
肺循環は小循環とも言います。
スタートは右心室からです。
右心室から肺に行き、ガス交換(CO₂ を放出して、O₂を取り込む)を行います。
ガス交換後の血液は酸素を多く含む動脈血です。
この血液が左心房に戻ってくるのが肺循環です。
体循環
左心室からスタートします。
左心室からでた血液は全身に行き、酸素や栄養を与えて再び右心房に戻ってきます。
脳の血管系
心臓から送り出された血液は各組織に届きます。
脳には内頚動脈と椎骨動脈の2つが血液供給をします。
内頚動脈と椎骨動脈は2本ずつあり大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)を形成しています。
ウィリス動脈輪は脳底部で動脈が連結しているので、
一部で血流が遮断されても別ルートから脳組織に血液の供給ができます。
門脈
門脈は胃、少腸、大腸、脾臓、膵臓からの静脈血が集まります。門脈に集められた血液は肝臓に送られて、有害物質などが代謝処理されます。
門脈からの静脈血は肝臓に入る血液の約70%をしめます。
冠状動脈
心臓自身は冠状動脈によって酸素や栄養が渡されます。
大動脈の起始部から右冠状動脈と左冠状動脈に枝分かれし、心臓表面に分布しています。
心筋
心筋は固有心筋と特殊心筋に分けられます。
固有心筋は心臓の収縮力に関連する筋肉です。
特殊心筋は刺激伝導系とも言い、興奮を伝導する働きがあります。
興奮が伝導して固有心筋に伝わり心臓を収縮することで血液を全身に送り出します。
刺激伝導系
興奮の伝導
心臓の興奮は以下のように伝わっていきます。
洞房結節が興奮
洞房結節はペースメーカーの役割があり規則正しく興奮
興奮が心房に伝わる
洞房結節で発生した活動電位が心房筋に伝わり心房が収縮
房室結節に伝わる
電気を通すフィルターの役割。心室に伝わる脈拍数を制御
ヒス束に伝わる
プルキンエ繊維に伝わる
左脚、右脚を通してプルキンエ繊維に伝わる
心室が収縮
心室筋に興奮が伝わり心室が収縮
活動電位
洞房結節の活動電位
興奮の伝導は洞房結節から始まります。
洞房結節は他からの刺激がなくても、ゆっくりと勝手に脱分極します。
これを緩徐脱分極と言います。
洞房結節で起こる自動的な活動電位が心臓の収縮を決めているのでペースメーカーの役割があります。
洞房結節(房室結節も)の活動電位はCa²⁺の流入で起こります。
この脱分極が心房筋のNa⁺チャネルの開口に繋がり、
脱分極を起こし、心筋の収縮を起こします。
心筋細胞の活動電位
心筋細胞はK⁺,Na⁺-ATPaseにより、細胞内K⁺が高く、細胞外Na⁺濃度が高いことを知っておきましょう。
K⁺チャネルを介してKが細胞外に出ると-60~-100mVほどの電位が発生します。これを静止膜電位といいます。
心室筋、心房筋の活動電位は
静止膜電位
細胞内K⁺が高く、細胞外Na⁺濃度が高い。Kが細胞外に出ると-60~-100mVほどの電位が発生
Na⁺の流入(脱分極)
Naは流入しK⁺チャネルは閉じるので細胞内が+になる。脱分極
K+が流出
Ca²⁺の流入
Ca²⁺は流入し続けK⁺も流出し続けるため、電位は+もしくは0付近にいる(プラトー相)
静止膜電位に戻る
Ca²⁺チャネルが閉じ、K+の透過性が高まり静止膜電位に戻る
活動電位が発生すると、隣接する細胞とは細胞内外のプラスとマイナスが逆になるので電流が発生します。
この刺激で隣の細胞もNaの流入→脱分極と刺激が伝わっていきます。
不応期
不応期は
- 絶対不応期
- 相対不応期
があります。
絶対不応期はどんなに強い刺激を与えても活動電位を発生することができない時期です。
一方、相対不応期は強い刺激を与えれば電位を発生できます。
まとめ
ポイント
- 心臓には4つの部屋と4つの弁がある
- 心臓の収縮には洞房結節がペースメーカーとして働く
- 洞房結節のCa流入による脱分極で、心房筋の脱分極が起こり心筋の収縮が起こる。
心筋の活動電位がわかると、不整脈も簡単ですよ!
循環器系つながりで血管の構造と血圧調節機構も押さえましょう!