勉強のポイント
DICは出血しやすい疾患の総集編のような複雑な疾患ですが、止血の流れがわかっていれば流れを追っていけます。
まず発症の流れを追って、そこから検査項目の変動、治療薬を学んでいきましょう。
DICってどんな病気?
ガンや細菌感染などの基礎疾患によって引き起こされます。基礎疾患によって微小血栓ができ、毛細血管が詰まり、細胞が壊死し、多臓器不全を引き起こしたり、
病気が進むと血栓の材料が枯渇し大量出血しやすくなるなど
予後がとても悪い疾患です。
発症の流れ
DICは前半と後半に分けることができます。
前半は、基礎疾患により一次止血・二次止血が活性化され、血栓ができます。
その後、体は血栓を溶かすために、線溶系が活性化されます。
すると……血栓を作るための材料が不足し、線溶系が相対的に優勢になります。
→血栓から一転。出血傾向が一気に高まります。
ここまで見ていくと、検査項目の変動も見えてきます。
検査項目ほ変動
- 血小板を消費するので血小板は減り、出血時間は長くなる
- 凝固因子も減るのでアンチトロンビンは減り、PT・APTTは長くなる
- フィブリン血栓は作られるので増える
材料のフィブリノーゲンは減る - 線溶系は活性化されるのでフィブリン分解物は多くなります。
原因疾患は?
ガン自体や抗がん剤などの薬剤が原因で発症します。具体的には以下の3つの薬剤を覚えておきましょう
覚え方は、DICをとって
- D:ドセタキセル
- I:インドメタシン
- C:アシクロビル
治療
基礎疾患の治療が難しい場合が多いので、治療は抗凝固剤で治療します。
出血が多いのに大丈夫なの?と不思議に思うかもしれませんが、トリガーとなる血栓を作らせないことを重視しています。
そのため
ヘパリンや、ヘパリンを助けるアンチトロンビンⅢ、抗トロンビン薬のガベキサートなどを覚えておきましょう。
抗凝固薬も合わせて復習すると効果的です。↓