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勉強のポイント
結核で押さえるキーワードは
- 飛沫感染
- ツベルクリン反応
- DOTS
- 多剤併用療法 です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
感染経路は飛沫核感染
肺結核はヒト結核菌の飛沫核感染が原因で発症します。
症状は 咳や痰、長期間の微熱、胸痛などです。
結核菌に感染しても大半(70%くらい)は不顕性感染で症状が現れません。
そのため、糖尿病や高齢者、ステロイド投与中の患者など易感染性宿主で発症することが多いです。
検査は結核菌がいるかが大事!
結核の検査では原因となる結核菌がいるかを証明することが大切です。
知っていてほしいのは
- ツベルクリン反応
- 塗沫染色検査
の2つです。
ツベルクリン反応
ツベルクリン反応は4型アレルギー(遅延型アレルギー反応)を利用した検査です。
結核菌から抽出したタンパク質を皮内投与することで反応性を見る検査です。
塗沫染色検査
Ziehl-Neelsen染色により結核菌を検出する方法です。
結核の確定診断につながる検査方法です。
治療は多剤併用とDOTSが大切
治療の基本は、耐性菌の防止目的で、2剤以上の多剤併用療法です。
使用されるメインの薬5つの特徴を押さえましょう。
- イソニアジド(INH)
- リファンピシン(RFP)
- ストレプトマイシン(SM)
- エタンブトール(EB)
- ピラジナミド(PZA)
多剤併用
治療の方法で1番メジャーなものは
2ヶ月間4剤併用をし、その後2剤併用で4ヶ月治療を行う方法です。
ファーストラインだけでも頭の片隅に入れておきましょう。
それでは個別の特徴を見ましょう。
イソニアジド
イソニアジドはミコール酸合成阻害薬です。
副作用に肝障害、末梢神経障害(VB6欠乏)があります。
リファンピシン
リファンピシンはRNAポリメラーゼ阻害薬です。
CYPを誘導するので併用薬に注意が必要です。
ストレプトマイシン
ストレプトマイシンはアミノグリコシド系の抗生物質です。
リポソーム30Sに結合することでタンパク合成を阻害します。
アミノグリコシド系に多い、第8神経障害が副作用にあり、めまいや難聴などが起こりやすいです。
エタンブトール
エタンブトールは薬理作用がはっきりしていません。
そのため国試で聞かれるのは副作用の視力障害です。
ピラジナミド
ピラジナミドはイソニアジドとの併用で使用されます。
イソニアジドの作用増強が見込めます。
ピラジナミドもイソニアジドも肝障害が副作用にあるので肝障害患者への投与は慎重に行います。
DOTSとは?その必要性は?
DOTSは直接監視下治療のことです。
多剤併用に伴う、コンプライアンスの向上目的でDOTSが行われます。
結核の治療は薬を飲むことが基本なので、複数の薬を長期間しっかりと飲み続けることが大切です。
第3者が介入することで耐性化を防いだり、治療中断などを防ぐことができます。