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全身性エリテマトーデス(SLE)とは??
全身性エリトマトーデス(SLE)は原因が不明の臓器非特異的な自己免疫性疾患です。疫学的に、若年~中年女性がなりやすい疾患です。
3型アレルギーによる臓器障害が炎症性症状を引き起こします。
過剰な自己抗体の産生により免疫複合体を形成し全身の臓器に障害を及ぼします。
上の画像は糸球体腎炎の3型アレルギー反応を示したものです。
免疫複合体が形成されて組織に沈着し、補体が活性化することで臓器障害が起こる流れを確認してください。
症状
SLEは3型アレルギー反応で炎症性症状を起こします。
- 全身:溶血性貧血、全身性血管炎
- 皮膚:蝶形紅斑、口腔潰瘍、レイノー症状
- 関節:変形を伴わない関節炎
- 腎:ループス腎炎、糸球体腎炎
- 精神症状:中枢神経ループス(うつや認知障害など)
- 肺:胸膜炎
検査
SLEの病態では検査値が必ずと言っていいほど頻出ですので必ず押さえましょう。
自己抗体陽性
- 抗核抗体
- 抗dsDNA抗体(抗二本鎖DNA抗体)
- 抗Sm抗体
- 抗ヒストン抗体
- 抗リン脂質抗体
他にも
- 汎血球低下
- 血清補体価低下(補体が活性化して使われて消費するため)
- LE細胞(抗核抗体を好中球が貪食したもの)
がみられます。
治療
SLEの第一選択薬はステロイドです。
全身性血管炎や糸球体腎炎、溶血性貧血など重症症状がある場合にはステロイドパルスを行います。
他にも免疫抑制薬(アザチオプリンやシクロホスファミド、メトトレキサートなど)も使用します。
関節の痛みなどにはNSAIDSが使われます。