食品の品質と管理

変質はある悪魔、隣人と語る

腐敗

腐敗とは、タンパク質が微生物の増殖により変質することです。

腐敗反応はアミノ酸から炭酸orアミノが抜ける反応と、腐敗臭の原因物質が生成する反応に分けられます。

アミノ酸の脱炭酸

腐敗 ヒスチジン ヒスタミン チラミン チロシン 脱炭酸 アミノ酸

アミノ酸の脱炭酸反応は名前の通り、アミノ酸のCOOH部分からCO₂が抜けていく反応です。腐敗アミンが生成します。

ポイントはアミノ酸が脱炭酸した結果何になるかです。

  • ヒスチジン→ヒスタミン
  • アルギニン→アグマチン
  • チロシン→チラミン
  • トリプトファン→トリプタミン
  • フェニルアラニン→フェネチルアミン
  • リジン→カダベリン

腐敗アミンができるので、語尾が~()ミンになると考えましょう。
例外としてアルギニンとリジンは違うのでゴロで覚えましょう。

ある悪魔、隣人と語る

  • ある:アルギニン→悪魔:アグマチン
  • 隣人:リジン→語る:カダベリン

 

ヒスチジンからできるヒスタミンは、アレルギー様食中毒の原因になります。構造中にイミダゾール骨格があることも知っておきましょう。

トリプトファンから生成するトリプタミンにはインドール骨格もあります。

インド(インドール骨格)のトリ(トリプトファン)で覚えましょう。

チラミンは、チーズやワインに多く含まれています。交感神経を刺激してノルアドレナリンの遊離を促進して血圧↑します。モノアミンオキシダーゼ(MAO)により代謝されるのでイソニアジドやセレギリンなどのMAO阻害作用のあるものは、チラミン中毒(急な血圧上昇や頭痛など)が起こります。

 

脱アミノ

脱アミノ反応はアミノ酸のNH₂が取れる反応になります。アンモニアが生じるので腐敗臭がします。

 

腐敗臭系

3つの反応を押さえましょう。

トリプトファンの分解

腐敗 トリプトファン スカトール

トリプトファンが分解されるとスカトールという便臭のする物質が生成されます。スカトールはスカトロが語源になっているので、悪臭と結び付けられるでしょう。また、トリプトファン由来なので構造中にインドール骨格があるのも、国試を解くときのヒントになります。

 

含硫アミノ酸の分解

含硫アミノ酸のシステインを分解するとメルカプタン硫化水素が生成します。両方ともSが含まれるので硫黄臭がします。

 

トリメチルアミンオキシドの還元反応

トリメチルアミンオキシド還元されるとトリメチルアミンという魚の腐敗臭の原因物質ができます。

 

褐変

非酵素的

メイラード反応 ストレッカー分解 メラノイジン 違い 反応

メイラード反応は非酵素的反応です。国試では非酵素かどうか聞かれるので
こうそ→メラード反応で記憶しておきましょう。

メイラード反応 ストレッカー分解 メラノイジン 違い 反応

具体的には還元糖のカルボニル基とアミノ酸(orタンパク質)アミノ基が反応してシッフ塩基を生成し、最終的にメラノイジン(褐色)ができる反応です。アミノカルボニル反応とも言います。

糖尿病の人は、グルコースとヘモグロビンが反応してグルコシル化ヘモグロビン(HbA1c)が生成されます。

また輸液中の成分がアミノ酸と反応して含量が低下し栄養価低下の原因になります。

 

また、シッフ塩基からメラノイジンができる途中でα-ジカルボニル化合物ができます。これが加熱されてαアミノ酸と反応するとCO₂やアルデヒド類、ピラジン類など生成し食品の匂いや色に関係してきます。

 

酵素的

メラニン オルトジフェノール 酵素 ポリフェノール

酵素的褐変現象はメラニンを形成します。リンゴやじゃがいもなどの皮をむくと起こる現象です。

ポリフェノールオキシダーゼ(植物性食品に含まれる)が食品中のオルトジフェノール類(カテキン類など)を酸化しオルトキノン体を生じます。これが重合するとメラニン色素ができます。

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