今回は腐敗防止の方法とHACCPについてまとめます。
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腐敗防止
腐敗とは、”タンパク質が微生物の増殖のために変質”する現象を言います。
詳しい変質の機構については
にありますので確認してください。
腐敗の防止策は大きく
- 化学的
- 物理的
に分けられます。
化学的
化学的方法には
- 塩漬、糖漬による水分活性の低下
- 酢漬によるpHの低下
- 食品添加物の利用
があります。
これらの方法は静菌的な方法で微生物の増殖を抑制するものです(殺菌料の添加とくん煙は殺菌的)
大体の腐敗細菌はpH5.5以下で発育が阻害されます。
食品添加物についてはこちらにまとめてあります。
頻出なので確認しておきましょう。
水分活性とは??
食品中には
- 結合水:栄養素と結合している水分で微生物は利用できない
- 自由水:微生物が利用できる水分
の2つがあります。
水分活性は食品中の自由水の割合のことを言います。そのため水分活性が高いと微生物が繁殖しやすくなります。
生物が発育できる水分活性の下限を知っておきましょう。覚え方は
最高か
- 最:細菌(0.9)
- 高:酵母(0.88)
- か:カビ(0.8)
酵母(はは)→0.88でつなげて、細菌とカビの間の水分活性であるとわかれば、細菌とカビの水分活性もそれぞれつながると思います。
物理的
物理的方法には加熱処理や、紫外線放射法があります。
日本では食品の殺菌目的で照射法はしていませんが、じゃがいもの発芽防止の為にγ照射は許可されています。
HACCAPとは??
HACCPはHazard analysis and critical control pointの略です。
製造過程で発生すると考えられる危害を分析(HA:hazard analysis)して、危害発生防止のために必須の工程を重要管理点(CCP: critical control point)に決めます。重要管理点(CCP)を監視することで、問題発生時に改善措置を素早く取ることができ、重要管理点(CCP)以外の工程は一般的な衛生管理を行えばいいというメリットがあります。