今回は衛生の疾病の予防の母子感染の範囲についてまとめます。
この範囲のポイントは
- 感染経路
- 母子免疫
の2つを押さえましょう。
Contents
母子感染の感染経路と疾患
母子感染には
- 経胎盤感染
- 経産道感染
- 経母乳感染
の3つの経路があります。どの疾患が何感染するのかを押さえましょう。
経胎盤感染
経胎盤感染する疾患は
ABCサイトウさん風
- A:AIDs
- B:B型肝炎
- C:C型肝炎
- さい:サイトメガロウイルス
- と:トキソプラズマ感染症
- う:うめ→梅毒
- 風:風疹
で覚えましょう。
経産道感染
経産道感染は
ABCリンク
- A:AIDs(後天性免疫不全症候群)
- B:B型肝炎
- C:C型肝炎
- リン:淋病
- ク:クラミジア感染症
B型肝炎は経産道感染と経胎盤感染、経母乳感染のすべての経路で感染が起こりますが経産道感染が多いです。出生児に抗Hbsヒト免疫グロブリン(HBIG)とHBワクチンを投与することで感染予防をしています。
予防接種のページにまとめてますので参考にしてください↓
経母乳感染
経母乳感染には
- AIDs(後天性免疫不全症候群)
- 成人T細胞白血病
- B型肝炎
があります。
成人T細胞白血病は新興感染症の一つでレトロウイルス科のHTLV-1が原因で発症します。潜伏期間が30~50年と長く、発症する人も感染者のごく一部です。
母子感染の場合は母乳からの感染が主な感染経路です。そのため妊婦のHTLV-1抗体スクリーニング検査をして陽性の場合には、予防として断乳を行います。人工栄養哺育(粉ミルク)により感染を防ぎます。
母子免疫
母子免疫で重要なのが
IgGとIgAです。
IgGは胎盤と通して新生児に移行します。このIgGは半減期が4週間ほどで、かつ新生児の抗体産生は生後3ヶ月~から開始するので新生児の免疫力は生後3ヶ月ごろが最も最低となります。
それを補うために重要なのが母乳です。母乳中には分泌型IgA(₂量体)があり、喉や、消化管粘膜上での感染防御に重要な役割をしています。