色々出てきてよくわからないな、ぱぱっと勉強したい!
本記事の内容
- 糖新生はピルビン酸、アミノ酸、グリセロールの3つの経路を学ぶ
- 基本、糖新生は解糖系の逆だけど不可逆反応は迂回する
- 糖新生の中間体はオキサロ酢酸が重要
Contents
糖新生を分かりやすく解説
糖新生は名前どおり、糖(グルコース)を新しくつくる反応です。
反応は基本、肝臓で起こります(腎臓でも起こります)
全体像は↑の図の感じ。
今回はこの図の流れが理解できることがゴールです。
糖新生の原料は
- ピルビン酸
- アミノ酸
- グリセロール
があります。
基本は解糖系の逆ですが、
不可逆反応は迂回していこう!
という感じです。
イメージは登山で下りはすごい直線的に下るのに、上りは緩やかな別ルートでいくかんじです。
解糖系がわかっている方が理解がスムーズです。
わからない人はこちらで確認してください。
そもそもなんでグルコース作るん??
エネルギー(ATP)を産生するだけなら、脂肪酸からもできることを学んできました。
しかし、ミトコンドリアを持たない赤血球などはグルコースを唯一のエネルギー源にしてます。
脳もよくグルコースだけしかエネルギーにできないと聞きますが、飢餓時にはケトン体をエネルギーとして使うことができます。
しかしメインはグルコースなので機能は落ちてしまいます。
そのため血糖値を保つことは体内で非常に重要なのです。
勉強のポイント
勉強のポイントは
ポイント
- ピルビン酸、アミノ酸、グリセロールの3つの経路を学ぶ
- 解糖系の逆だけど不可逆反応は迂回する
- 糖新生の中間体はオキサロ酢酸が重要
ピルビン酸の経路をまず学びましょう。
アミノ酸、グリセロールはピルビン酸ルートに途中から合流するイメージです。
糖新生の材料はビルビン酸と、アミノ酸、グリセロールをおさえる
早速
のそれぞれの反応を見ていきます。
ピルビン酸
ピルビン酸からグルコースを作ることが超基本です。
解糖系を逆に戻れれば話は早いですが、不可逆反応が3つあります。
なので迂回します。
ピルビン酸→ホスホエノールピルビン酸
最初の不可逆反応です。
ここが一番大切です。
ピルビン酸はまず、ピルビン酸カルボキシラーゼという酵素によりオキサロ酢酸になります。
この反応はマトリックス内(TCA回路はマトリックスで起きてましたね!)で起きているとわかります。
オキサロ酢酸はホスホエノールピルビン酸になり解糖系の逆反応に組み込まれる必要があります。
しかしオキサロ酢酸はマトリックスから出ることができないので解糖系で出てきたリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルを活用します。
リンゴ酸としてマトリックスから出たあとは、オキサロ酢酸に戻り、ホスホエノールピルビン酸となり解糖系の逆反応がすすんで行きます。
(国試的にはこれで十分ですがもう少し理解を深めたい人は)
フルクトース1,6-ビスリン酸→フルクトース6-リン酸
ホスホエノールピルビン酸が解糖系の逆を進むと2つ目の不可逆反応が出てきます。
「フルクトース1,6-ビスリン酸→フルクトース6-リン酸」はフルクトース1,6-ビスホスファターゼが触媒します。
グルコース6-リン酸→グルコース
「グルコース6-リン酸→グルコース」はグルコース6-ホスファターゼが触媒します。
これはグリコーゲン分解で出てきた反応とおなじです。
ホスファターゼは脱リン酸化酵素のことです。
これで糖新生の一連の流れが終了です。
糖原性アミノ酸
糖原性アミノ酸は代謝されて
オキサロ酢酸orピルビン酸ができるやつのことです
ここではアミノ酸代謝については書きませんが、オキサロ酢酸とピルビン酸になれば糖新生でグルコースができるのがわかりますね。
(↑で説明してきたピルビン酸の経路に入るってこと)
アミノ酸は糖原性、ケト原性アミノ酸があります。
糖原性、ケト原性両方をもちあわせているものもあります。
糖原性はロイシン、リシン以外で覚えましょう。
グリセロール
グリセロールは脂肪酸とともにトリアシルグリセロールを構成してます。
脂肪酸はβ酸化で利用されたのを思い出しましょう。
残ったグリセロールは糖新生で利用されます。
グリセロールはジヒドロキシアセトンリン酸を経由して糖新生に入ってきます。
筋肉は2つの経路からグルコースをゲットしてる
筋肉はエネルギーが枯渇すると、グルコースを得るための経路が2つあります。
それが
- コリ回路
- グルコース-アラニン回路
です。
筋肉と、肝臓の間でグルコースの循環を作ります。
コリ回路は筋肉での解糖と肝臓での糖新生の間の循環
コリ回路はピルビン酸の経路がわかってれば楽勝です。
「筋肉での解糖と肝臓での糖新生の間の循環」がコリ回路です。
短距離走すると、筋肉では嫌気的になるので解糖で乳酸ができます。
この乳酸を利用するために血流を介して肝臓に乳酸をおくり、糖新生でグルコースにします。
グルコースは再び血中に放出され筋肉に戻りエネルギー源として利用されます。
グルコース-アラニン回路はコリ回路とほぼ同じ
グルコース-アラニン回路はコリ回路とほぼ同じです。
乳酸をアラニンに置き換えるだけです。
筋肉からアミノ酸であるアラニンが生じ、肝臓へ運ばれピルビン酸となります。
糖新生を介してグルコースになると再び筋肉に戻り利用されます。
まとめ
ポイント
- ピルビン酸、アミノ酸、グリセロールの3つの経路を学ぶ
- 解糖系の逆だけど不可逆反応は迂回する
- 糖新生の中間体はオキサロ酢酸が重要
- コリ回路と、グルコース-アラニン回路は筋肉と肝臓でのグルコースの循環
つぎはペントースリン酸回路を見ていきましょう!