できればやりたくないんだよね....。
大事なところと理由が分かれ難しくないですよ!
核酸代謝をわかりやすく解説!
勉強のポイントは
ポイント
- ヌクレオチドの構造
- プリンヌクレオチドはデノボ経路と分解
- ピリミジン塩基はデノボ経路
を中心に勉強しましょう。
ヌクレオチドとは??
ヌクレオチドは核酸(DNAとRNA)の基本単位です。
リン酸基、糖、塩基の3つから構成されます。
構造はこんな感じ。↓
糖と塩基がくっついたものをヌクレオシドといい、
これにリン酸基が着くとヌクレオチドになります。
糖部分のペントースは
RNA:D- リボース、
DNA:2-デオキシ-D-リボース
になります。
この違いは2番めのCにつくのがOHかHの違いです。
OHだと加水分解されやすいのでHにすることで、DNAではより情報が安定するというイメージです。
塩基は
プリン塩基:アデニン、グアニン
ピリミジン塩基:シトシン、ウラシル、チミン
があります。
プリン塩基の覚え方はアデニン(A)の左上のNH₂から、時計回りにアイウエオカキクのクのところでNH₂がつくのがグアニン(G)です。
ピリミジン塩基のうちウラシル(U)はRNA、チミン(T)はDNAに使われるのは確実に押さえましょう!
ヌクレオチドの表記の仕方は、塩基+リン酸の数+P(リン酸)で表されます。
更にDNAの場合にはデオキシリボースを使うので、デオキシヌクレオチドとなるので最初にdが付きます。
プリン塩基の合成
ヌクレオチドを作る段階を見ていきましょう!
ヌクレオチドの合成には
de novo経路(新生経路)
サルベージ経路(再利用経路)
の2つがあります。
デノボ経路
プリン塩基のデノボ経路は、先にリボース5-リン酸からPRPPを作り、そこに材料を加えることでプリンヌクレオチドを作っていきます。
リボース5-リン酸はペントースリン酸経路から作られます。
※ペントースリン酸経路はこちらで確認!
最初の反応はリボース-5-リン酸にATPがくっついてホスホリボシルピロリン酸(PRPP)を生成します。
更にPRPPにグルタミン、グリシン、アスパラギン酸、THF(テトラヒドロ葉酸)が反応すると最初のプリンヌクレオチドであるイノシン酸(IMP)ができます。
イノシン酸(IMP)ができるまでの反応は複雑で、何段階もの反応が起きています。(覚える必要ない!)
この材料はよく聞かれるのでグーグルアースと葉酸
グー:グリシン
グル:グルタミン
アース:アスパラギン酸
で覚えましょう。
イノシン酸(IMP)のプリン塩基はヒポキサンチンです。
PRPPを土台にしてプリン塩基のヒポキサンチンが合成されるイメージです。
イノシン酸(IMP)はアデニル酸(AMP)とグアニル酸(GMP)の前駆体です。
イノシン酸に(IMP)にアスパラギン酸(Asp)が反応するとアデニル酸(AMP)、グルタミンが反応するとグアニル酸(GMP)ができます。
プリンヌクレオチドの分解
サルベージ経路に入る前にプリンヌクレオチドの分解を先に見ると理解しやすいです。
まずはグアニル酸(GMP)をから見ていきます。
グアニル酸は最初にリン酸基が外れてグアノシンになりさらにリボースが取れてグアニンになります。
グアニンはグアニンデアミナーゼという酵素でキサンチンになります。
次にイノシン酸(IMP)を見ましょう。
IMPも同じく最初にリン酸基が取れてイノシンになります。
更にリボースが取れてヒポキサンチンになります。
ヒポキサンチンはさらにキサンチンオキシダーゼによりキサンチンになります。
アデニル酸(AMP)もイノシン酸(IMP)と同じく最終的にキサンチンになります。
図の通り、AMPはIMPの経路に組み込まれていきます。
3つのプリンヌクレオチドは最終的にキサンチンになります。
キサンチンは更にキサンチンオキシダーゼで尿酸に代謝されます。
サルベージ経路
サルベージ経路は再利用経路です。
プリンヌクレオチドの分解で出てきた遊離塩基(グアニン、ヒポキサンチン、アデニン)をPRPPにくっつけて新しくプリンヌクレオチドを生成します。
ピリミジン塩基の合成
デノボ経路
ピリミジン塩基のデノボ経路はPRPPとピリミジン塩基を別々に作って、後でくっつけます。
まずカルバモイルリン酸とアスパラギン酸が反応してオロト酸ができます。
ピリミジン環の炭素と窒素源はカルバモイルリン酸とアスパラギン酸由来です。
核酸合成でのカルバモイルリン酸はグルタミンが窒素源です。
※カルバモイルリン酸は尿素回路で出てきたことを思い出しましょう。
尿素回路でのカルバモイルリン酸の窒素源はNH₄⁺でした。
なので核酸合成で出てくるカルバモイルリン酸とは違う反応でできてます。
オロト酸はピリミジン塩基の一つです。
オロト酸とPRPPが反応するとオロチジル酸ができます。
さらにオロチジル酸からCO₂が抜けるとウリジル酸(UMP)ができます。
それではウリジル酸(UMP)からCTPと、dTTPができる反応を見ていきましょう。
ウリジル酸(UMP)はリン酸基が付いて、UMP→UDP→UTPと変化していきます。(図の上のルート)
UTPはアミノ化(グルタミン使う)を受けてCTPになります。
次は下のルートのウリジル酸(UMP)からチミジル酸(dTMP)を作っていきます。
(T(チミン)はDNAの材料だからdがつくよ)
重要なのが、RNA(〇〇○)の材料からDNAの材料(d〇〇○)を作るには2リン酸の形になる必要があることです。
ウリジル酸(UMP)は一度2リン酸であるUDPになります。
2リン酸のUDPはdUDPになることができます。
更にdUDPはリン酸基がとれてdUMPになります。
ウラシルにメチル基をつけてチミンにするにはチミジル酸シンターゼが必要です。
この炭素1個単位の供給源はメチレンテトラヒドロ葉酸です。
この反応でdUMPからdTMPができます。
リン酸化するとdTMP→dTDP→dTTPと変化していきます。
葉酸の代謝(余談)
dUMPからdTMPへの反応ですが、もう少し具体的に見ると↑の図の通りです。
DNAの合成にはdTTPが必要です。
そのためこの反応を阻害すれば、細胞増殖の早いがん細胞の増殖も抑えられます。
フルオロウラシルはこのチミジル酸シンターゼの阻害剤です。
また、ジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸(THF)の反応を触媒するジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害するのがメトトレキサートです。
そのため、この2つはがんの化学療法に使われます。
代謝拮抗薬についてはこちらで確認↓
ジヒドロ葉酸からTHFへの反応は還元反応で、ここではNADPHが利用されます。
NADPHはペントースリン酸回路から供給されます。
※ペントースリン酸経路はこちらで確認!
サルベージ経路
ピリミジン合成はもともとPRPPとピリミジン塩基を別々に作って合成していたので、サルベージ経路はあまり必要ありません。
分解
ピリミジン塩基は分解されるとβ-アラニンとβ-アミノイソ酪酸になります。
それぞれアセチルCoAとスクシニルCoAにまで分解されてクエン酸回路に組み込まれていきます。
分解途中でできたアンモニアは尿素回路で排泄されます。
※尿素回路はこちらで確認!