本記事の内容
- バセドウ病の病態と症状
- 国家試験で問われやすい検査項目
- 治療薬はごろで覚える
バセドウ病はよく問われる病態ですが覚えることは多くないので一緒に確認して得点源にしていきましょう!
バセドウ病は甲状腺ホルモンが出続ける病気
バセドウ病は甲状腺機能亢進症の一つです。
自己免疫疾患で
- 抗TSH受容体抗体
- 甲状腺刺激抗体
が甲状腺を常に刺激する事で負のフィードバックが破綻し、甲状腺ホルモンが持続的に分泌される病態です。
疫学的に20〜40歳の女性がなりやすいです。
バセドウ病の症状は3徴と代謝亢進を抑える
バセドウ病の症状は三徴と代謝亢進から考えられる症状を抑えれば楽勝です。
まず三徴は以下3つを抑えましょう。
- 甲状腺腫大(甲状腺肥大)
- 頻脈
- 眼球突出
甲状腺腫大は抗TSH受容体抗体が甲状腺を刺激し続ける事で、甲状腺の濾胞細胞が増殖する事で生じます。
びまん性で左右対称性に肥大するのが特徴です。
甲状腺ホルモンの作用にはβ受容体の増加があり、頻脈(ときに心房細動) や手指振戦が生じます。
代謝亢進作用は甲状腺ホルモンの作用を抑えれば大丈夫です。↓
- 血糖上昇
- 血中総コレステロールの低下
- 体重減少
などが生じます。
甲状腺ホルモンの影響で腸が活発になり下痢も生じます。
検査項目はTSH低下に注意
検査項目も国試で必須なので抑えましょう!
重要なのは
- 血中T₃、T₄上昇
- 血中TSH低下
- 抗TSH受容体抗体陽性
血中T₃、T₄上昇と抗TSH受容体抗体陽性はわかりやすいと思います。
(そもそも抗TSH受容体抗体が刺激して甲状腺ホルモンT₃、T₄出すから)
気をつけたいのが血中TSH低下です。
上の図を見ればわかりやすいですが、T3,T4が過剰分泌されることで、負のフィードバックが起こりTSHの分泌が抑えられます。
薬物治療はごろで覚える
抗甲状腺薬である
- チアマゾール
- プロピオチオウラシル
を使用します。
甲状腺ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの合成を抑制します。
治療効果の面などからチアマゾールが第一選択薬とされることが多いです。
副作用に無顆粒球症、白血球減少症があります。定期的に顆粒球数を測定することが大切です。
覚え方はゴロで
「罵声に負けないプロのチアガール」
罵声:バセドウ
プロ:プロピルチオウラシル
チア:チアマゾール
です。
頻脈などの交感神経過敏に基づいた症状には対症療法としてプロプラノロールなどのβ遮断薬が使用されます。
放射線治療として、ヨウ化Na(¹³¹I)が使用されます。
β線が放出され甲状腺を破壊する事で過剰なホルモン合成を抑制します。
しかし副作用で副甲状腺機能低下症になる事が多いのがデメリットです。
まとめ
ポイント
- 抗TSH受容体抗体、甲状腺刺激抗体により甲状腺ホルモンが持続的に分泌される病態
- 甲状腺腫大(甲状腺肥大)、頻脈、眼球突出が3徴
- 治療薬は「罵声に負けないプロのチアガール」