薬剤師法

薬剤師法「免許編」:絶対的欠格事由・相対的欠格事由・薬剤師名簿の暗記整理【薬剤師国家試験】

法律の土台が終わったので、ここからは特別法に入ります。最初は身分法、その中心である薬剤師法です。

身分法全体に言えることを1つ。ふつう法律は第1条が「目的」なのですが、身分法は第1条が「任務」になっています。その職種が社会に対して負う使命が先に来る、という作りです。薬剤師法も同じで、薬剤師の使命と責任を定めた法律という位置づけになります。

薬剤師法は免許と業務の大きく2つに分けて整理します。この記事ではまず免許のほう、つまり「薬剤師になるまでと、なった後の手続き」を扱います。数字と分類が多いパートなので、表で一気に片付けていきましょう。

この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。

マインドマップで見る「薬剤師法(免許)」

薬剤師法のマインドマップ(免許の要件・欠格事由・薬剤師名簿・取り消し等処分・届け出・名称独占・受験資格)
薬剤師法のマインドマップ(免許の要件・欠格事由・薬剤師名簿・取り消し等処分・届け出・名称独占・受験資格)

右側が免許、左側が業務です。この記事では右側を扱います。免許の枝は、要件 → 薬剤師名簿 → 取り消し等処分 → 取得後手続き → 届け出 → 名称 → 受験資格、と時系列に近い並びになっています。

免許の要件 ─ 合格しても薬剤師になれない人がいる

薬剤師免許は、日本の薬剤師国家試験に合格した者に与えられます。これが基本です。

ところが、試験に合格しても薬剤師になれない人がいます。これを欠格事由といいます。欠格事由には絶対的欠格事由と相対的欠格事由の2種類があります。

意味 内容
絶対的欠格事由 絶対に免許を与えられない 未成年者(これだけ)
相対的欠格事由 免許を与えられない場合がある(ケースバイケース) ①心身の障害 ②麻薬、大麻、あへんの中毒者 など ③罰金以上の刑に処せられた者

絶対的欠格事由は「未成年者」だけ

ここは以前と内容が変わっているところで、現在、絶対的欠格事由に入っているのは未成年者のみです。「絶対的欠格事由を選べ」という問題が出たら、まず未成年者を探してください。

相対的欠格事由の3つ

①心身の障害

厚生労働省令で定めるものは、視覚または精神の機能の障害とされています。ここから逆に読めることが大事で、話せなくても、耳が聞こえなくても薬剤師にはなれます。この点はたまに国試で問われるので、押さえておきましょう。

②麻薬、大麻、あへんの中毒者など

③罰金以上の刑に処せられた者

3つめは他人事ではありません。車の運転などで罰金以上の刑を受ければ、ここに該当し得ます。日常の中にある話だと思って気をつけてください。

薬剤師名簿 ─ 登録して初めて薬剤師になる

これは非常に重要な考え方です。

薬剤師名簿に登録されて、初めて薬剤師になる。

国家試験に合格しただけでは、まだ薬剤師ではありません。 合格 → 登録 → 薬剤師、という順番です。

登録事項

大事なものを抜粋すると、次のとおりです。

  • 本籍地の都道府県名
  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別 など

訂正は30日以内

婚姻などで登録事項に変更が生じることがあります。名字が変わることもありますし、それに伴って本籍地が変わることもあります。

そうしたときは、30日以内に訂正申請をしなければなりません。この「30日以内」は数字として問われるので、しっかり覚えてください。

取り消し等の処分 ─ 医道審議会で審議される

薬剤師が相対的欠格事由に該当したり、薬剤師としての品位を損するような行為をしたりした場合、医道審議会で審議されます。

その結果として下される処分は、次の3つです。

処分の種類
戒告
業務停止
免許取消し

そして、これらの処分を受けた者は再教育研修制度を受けることになります。「処分を受けて終わり」ではなく、再教育がセットになっている、という点まで押さえておきましょう。

届け出 ─ 2年ごと、免許更新ではない

ここは数字が多いので、先に結論から。

全ての薬剤師は、2年ごとの12月31日現在における氏名、住所その他の事項を、翌年の1月15日までに届け出なければならない。

そして、これが一番大事なポイントです。

この届け出は医療統計に使用するために集めるもので、免許更新ではありません。

薬剤師免許に更新はありません。国試でもここを引っかけてくることがあるので、「2年ごと・12月31日現在・翌年1月15日まで・免許更新ではない」とまとめて覚えてしまいましょう。

名称独占

薬剤師でなければ、「薬剤師」やそれに紛らわしい名称を使ってはいけません。これが名称独占です。次の記事で扱う調剤権(業務独占)と対になる考え方なので、セットで意識しておくと整理しやすくなります。

受験資格

薬剤師国家試験を受けられるのは、次のいずれかにあたる者です。

  • 薬学の正規の課程を修めて卒業した者(基本はこちら)
  • 厚生労働大臣が同等以上の学力・技能を有すると認定した者(外国の大学を出た場合など)

薬剤師の氏名等の公表

薬剤師の氏名等は公表されています。「薬剤師資格確認検索システム」で検索すると厚生労働省のページが出てきて、薬剤師の氏名を入れると、登録年月日・氏名・性別あたりまでが確認できます。一度、自分の目で触ってみると記憶に残ります。

覚えるコツ ─ 隠して、そらで言う

薬剤師法は覚えることが本当に多いパートです。読んで分かった気になっても、試験では出てきません。

おすすめは、紙で隠しながら、そらで言ってみる方法です。たとえばマインドマップの免許側だけを見て、8分などタイマーを決めて覚えたら、枝を隠してこう言ってみます。

「欠格事由には絶対的と相対的があった。絶対的は未成年者。相対的は3つで、心身の障害、麻薬・大麻・あへんの中毒者、罰金以上の刑。罰金以上は車の運転が危ないんだった。次、薬剤師名簿の登録事項は……」

見出しの部分だけ見てよい、と自分でルールを決めてやるのがコツです。結局は覚えないと始まらないので、なるべく少ない量で、なるべく分かりやすい文言で覚える。そのために、この記事の表を使ってください。

まとめ

  • 身分法は第1条が「目的」ではなく「任務」。薬剤師法は薬剤師の使命と責任を定めた法律
  • 免許は日本の薬剤師国家試験に合格した者に与えられる
  • 絶対的欠格事由は「未成年者」のみ
  • 相対的欠格事由は①心身の障害(厚生労働省令で定めるものは視覚または精神の機能)②麻薬・大麻・あへんの中毒者など ③罰金以上の刑。話せない・耳が聞こえない場合は該当しない
  • 薬剤師名簿に登録されて初めて薬剤師。国家試験に合格しただけではまだ薬剤師ではない
  • 登録事項は本籍地の都道府県名・氏名・生年月日・性別など。変更が生じたら30日以内に訂正申請
  • 処分は医道審議会で審議され、戒告・業務停止・免許取消しの3種類。処分を受けたら再教育研修制度
  • 届け出は2年ごとの12月31日現在の情報を翌年1月15日まで。医療統計のためであって免許更新ではない
  • 薬剤師は名称独占

免許のパートはここまでです。次は薬剤師法「業務編」:調剤権・応需義務・処方箋による調剤の例外を整理(医師法との比較つき)に進みます。業務編は「例外があるかないか」を意識して読むと、引っかけ問題に強くなります。

法規を、1枚の地図として頭に入れませんか

この記事の冒頭に載せたマインドマップは、法規という科目のほんの一区画です。実際には、薬機法の総則から薬局・製造販売業・医薬品の取扱い、そして社会保障制度までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。

解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全26回・約5時間34分。「この省令は誰に向けた基準なのか」「さっき出てきた登場人物が、どこで再登場するのか」が、条文の羅列ではなく流れとして入ってきます。バラバラに覚えていた制度が、1本の線になる感覚です。

法規のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。

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