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法規の全体像と勉強の進め方(4分野の関係を整理)【薬剤師国家試験】

「法規は覚えることが多すぎて、どこから手をつければいいのか分からない」。法規の相談で一番よく聞くのがこれです。たしかに条文や制度の名前がずらっと並ぶ科目なので、細かいところから覚え始めると、まず間違いなく迷子になります。

そこで最初にやってほしいのが、法規という科目の地図を頭に入れることです。薬剤師国家試験の法規は、大きく4つの分野に分かれています。この4つが「誰の立場から見た決まりごとなのか」さえ押さえておけば、後から出てくる個別の法律が地図のどのあたりの話なのかが分かるようになり、バラバラの暗記に見えていたものがつながり始めます。

今回は、その4分野の関係と、どの順番で進めるとラクなのかを整理していきます。法規シリーズの起点になる記事なので、ここだけは先に読んでおいてください。

この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。

マインドマップで見る「法規」の全体像

法規全体のマインドマップ(法律と倫理規範・薬学と社会・社会保障制度と医療経済・地域における薬局と薬剤師)
法規全体のマインドマップ(法律と倫理規範・薬学と社会・社会保障制度と医療経済・地域における薬局と薬剤師)

中央の「法規」から伸びている枝は4本。これが法規という科目のすべてです。枝が4本しかないと分かるだけで、ずいぶん気が楽になりませんか。

法規は4つの分野に分かれている

まず一覧で見てみましょう。

分野 どんな視点の分野か 代表的な内容
①法律と倫理規範 法律の土台にある「倫理」 生命倫理の4大原則、医の倫理の変遷、死の定義、尊厳死・安楽死
②薬学と社会 医療を提供する側から見た法律 薬剤師法・医師法(提供者)、薬機法・医療法(提供施設)
③社会保障制度と医療経済 医療を受ける側から見た法律 医療保険制度、後期高齢者医療制度、介護保険制度
④地域における薬局と薬剤師 国がこれから向かいたい方向 医薬分業、かかりつけ・地域連携などの薬局のかたち

このうち②と③は、まとめて「医療制度」という1つの大きなかたまりになっています。同じ医療制度を、提供する側から見たのが②、受ける側から見たのが③。ここが4分野の関係を理解するうえで一番のポイントです。

①法律と倫理規範 — 法律は「倫理の最低限のルール」

法規の1つ目は「法律と倫理規範」です。なぜ法律の科目なのに倫理から始まるのか、不思議に思うかもしれません。

ここで持っておいてほしいイメージが、法律とは倫理の最低限のルールであるというものです。社会が求める倫理のうち、これだけは守ってほしいという最低限の部分を、国が強制力をもって保障しているのが法律だと考えてください。

つまり、法律の背景には必ず倫理があります。先に倫理のほうを知っておくと、「なぜこの法律がわざわざこんな決め方をしているのか」が見えてきます。順番として倫理が先に置かれているのは、そういう理由です。

②薬学と社会 — 医療を「提供する側」から見た法律

2つ目は「薬学と社会」。ここは医療を提供する側、つまり医療者や医療機関の側に向けられた法律が集まっています。さらに2つに分かれます。

  • 提供者に関する法律:薬剤師法、医師法など
  • 提供施設や制度に関する法律:薬機法、医療法など

「自分(薬剤師)は何をしてよくて、何をしてはいけないのか」「薬局や病院はどういう決まりのもとで運営されているのか」という話がここに入ります。法規の中で最もボリュームが大きいのが、この分野にある薬機法です。薬機法の学習の進め方は医薬品医療機器等法(薬機法)とは?国試対策のための全体像・学習の順番ガイドで整理しているので、②に入るときに読んでみてください。

③社会保障制度と医療経済 — 医療を「受ける側」から見た法律

医療を提供する側から見た法律があるということは、当然その裏返しもあります。それが3つ目の「社会保障制度と医療経済」です。

ここで扱うのは、医療保険制度、後期高齢者医療制度、介護保険制度など。患者さんが医療を受けるときに、どういう制度に支えられ、誰がいくら負担しているのか、という話です。②を学んだ後にここを読むと、「提供する側」と「受ける側」で1つの医療制度を両側から眺めることになるので、②の内容の定着もよくなります。

④地域における薬局と薬剤師 — 国が示す「これからの薬剤師像」

最後は「地域における薬局と薬剤師」です。ここはほかの3つとは少し性格が違います。

薬剤師国家試験を作っているのは厚生労働省です。つまりこの分野は、国が薬局と薬剤師を将来どういう方向に持っていきたいのかをアピールしている部分だと考えると分かりやすくなります。マインドマップとしても1枚程度、出題も法規と実務を合わせて1〜2問くらいの分量です。

量が少ないので後回しにされがちですが、裏を返せば労力のわりに得点しやすいところです。直前期にまとめて押さえるのに向いています。

この順番で学ぶと、法規は迷子になりにくい

おすすめは、マインドマップの並びどおり①→②→③→④の順です。

  1. ①法律と倫理規範で、法律の土台にある考え方を先に入れる(分量も少なく、入り口としてちょうどいい)
  2. ②薬学と社会で、提供する側のルールを固める(薬機法が主役。ここに一番時間を使う)
  3. ③社会保障制度と医療経済で、受ける側の制度を②の裏返しとして押さえる
  4. ④地域における薬局と薬剤師で、国が示す方向性を最後に拾う

特に①を飛ばさないでほしいところです。ここで出てくるヘルシンキ宣言やインフォームドコンセントは、②の治験(GCP省令)のところでそのまま再登場します。先に倫理を通しておくと、「あ、あのとき出てきたやつだ」というつながりができて、後半がぐっと軽くなります。

まとめ

  • 法規は①法律と倫理規範/②薬学と社会/③社会保障制度と医療経済/④地域における薬局と薬剤師の4分野でできている
  • ②と③は「医療制度」という1つのかたまり。提供する側から見たのが②、受ける側から見たのが③
  • 法律は倫理の最低限のルール。だから①の倫理から入ると、後の法律が理解しやすくなる
  • ④は国が示す将来像の分野。量は少ないが、労力のわりに得点しやすい
  • 学習順は①→②→③→④。①で出た倫理規範は②の治験パートで再登場する

次は「法律と倫理規範」とは?生命倫理・医の倫理・死生観の学び方を読んでみてください。

法規を、1枚の地図として頭に入れませんか

この記事の冒頭に載せたマインドマップは、法規という科目のほんの一区画です。実際には、薬機法の総則から薬局・製造販売業・医薬品の取扱い、そして社会保障制度までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。

解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全26回・約5時間34分。「この省令は誰に向けた基準なのか」「さっき出てきた登場人物が、どこで再登場するのか」が、条文の羅列ではなく流れとして入ってきます。バラバラに覚えていた制度が、1本の線になる感覚です。

法規のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。

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