動画で10分ほどで解説しています。
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抗ヒスタミン薬の勉強のポイント
抗ヒスタミン薬は第1世代、第2世代に分かれています。
- 第1世代は、抗ヒスタミン作用のみ。
- 第2世代は第1世代の改良版。
抗コリン作用を弱くし、プラスで抗アレルギー作用を追加。
まず、第1世代で抗ヒスタミン作用の作用、副作用の基本を学び、
それをもとに、第2世代で追加された抗アレルギー作用に注目して特徴を学んでください。
第一世代で抗ヒスタミン作用の基本を学ぼう
第一世代は抗アレルギー薬の作用①~⑥のうち②(抗ヒスタミン作用)のみです。
他の抗アレルギー薬については↓こちらをご覧ください。
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参考抗アレルギー薬:ポイントは効く場所からの適応疾患【薬剤師国家試験】
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抗ヒスタミンの作用
抗ヒスタミン作用は主に以下の4つです。
- H₁受容体遮断作用
→かゆみに効果大→蕁麻疹に使う - 中枢抑制作用
→脳内に移行し眠気が出る - 抗コリン作用
→口渇、排尿困難、眼圧上昇、気道粘液分泌抑制など
抗コリン作用があるため基本は喘息には使いません。 - 制吐作用(乗り物酔い)
第一世代の薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、プロメタジン、シプロヘプタジン
以上の5つを覚えましょう。
抗ヒスタミン薬の副作用の抗コリン作用ですが、それを利用してプロメタジンはパーキンソンの適応をとってます
また、
ジフェンヒドラミンは中枢抑制作用を利用してOTC薬で睡眠改善薬を出しています。
睡眠改善薬になるくらい第1世代の薬は副作用が強く出ると印象付けてみてください。
第二世代は副作用減らして効果を追加!
副作用が強かった第一世代ですが、抗コリン作用などを減らして、ケミカルメディエーター遊離抑制作用などを追加したのが第二世代です。
抗アレルギーの作用が増えたことにより、第2世代の一部の薬は気管支喘息にも適応を持つものがあります。
①~⑥の作用は↓下図の通りです。
第二世代の2つの分類
第二世代は第一世代よりも抗コリン作用を弱くし、①ケミカルメディエーター遊離抑制作用も持っています。
その上で更に追加の作用によって第二世代は2つに分類されています。
- 抗アレルギー性ヒスタミンH₁受容体遮断薬
→ケミカルメディエーター遊離抑制作用を追加
→すべて喘息に適応あり - 非鎮静性ヒスタミンH₁受容体遮断薬
→中枢抑制作用を軽減→眠気↓
に分類されます。
抗アレルギー性ヒスタミンH₁受容体遮断薬
- ケトチフェン
③ロイコトリエン遊離抑制作用を持っています。 - アゼラスチンとオキサトミド
③LT遊離抑制と④LT受容体遮断作用もあります。
覚え方は「アゼランのケチケチ旅行 起きたら喘息」で覚えましょう。
非鎮静性ヒスタミンH1受容体遮断薬
抗コリン作用や中枢抑制作用による眠気が弱くなっています。
血液脳関門(BBB)を通過しにくくなっているためです。
☆矛盾してるようですが、非鎮静性ではあるんですが眠気は出ます。
そのため、基本的に添付文書には「車の運転には注意する」旨が書かれています。
例外がフェキソフェナジンとロラタジンです。この2つは非鎮静性の中でも特に眠気が出にくいため、車の運転に関する注意書きはありません。
LT受容体遮断作用持っている薬
非鎮静性の中で、メキタジンとエピナスチンはLT受容体遮断作用を持っています。
そのため喘息に適応を持っています。
また、メキタジンの注意点として第二世代ですが抗コリン作用が強いため、第二世代の中で唯一、緑内障(閉鎖隅角)に禁忌です。
(2019年に添付文書改定。禁忌:緑内障→閉鎖隅角緑内障に変更されました。)
非鎮静性の薬の覚え方
現場でもよく出てよく売れる薬なのでたくさん種類があります。
第一世代の薬と語尾が似てるので、種類の少ない第一世代薬5つを覚えて、
その他の「~タジン、~ジン、~スチン」が第2世代だと覚えましょう。
♫ビバロック(オレンジレンジ)
※クレマスチンはスチンが付きますが、第1世代なので注意してください。
抗アレルギー薬の全体像はこちらを
抗ヒスタミン薬は抗アレルギー薬のブランチの1つです。抗アレルギー薬の全体像は↓こちらをご覧ください
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