今回は中枢神経系に作用する薬のうち、全身麻酔についてまとめていきます。
ここでのゴールは2つ
①効く順序
②吸入麻酔薬の指標と薬名
③静脈麻酔薬(5つ)とその特徴を言えることです。
①効く順序の理解
効く順序
麻酔が脳に効く順序は以下のとおりです。
これと生物で習う脳・脊髄の構造を合わせると、
ここでのポイントは基本は上から順で延髄の所だけ例外だと覚えてください。
麻酔という薬は、①身体の意識、②痛み、③動きを止めて手術をしやすくする薬です。
延髄(呼吸)が③脊髄より先に止まると都合が悪いのです。
都合の良い薬が麻酔薬として使われているので延髄は最後だと関連付けましょう。
この順番のことを不規則的下降性麻痺と言うそうです。(余力があったら覚えてください)
脳の部位の覚え方
ちょっと余談ですが、大脳や小脳などの順番の簡単な覚え方があります。
②吸入麻酔薬
指標
効く速さの指標:血液/ガス分配係数
麻酔の作用の指標:MAC(最小肺胞濃度)
麻酔薬のED50です。人が動かなくなった時の肺胞内での薬の濃度のことです。
濃度が薄くても効けば強い薬ですよね。なのでMACが小さいほど強い薬です。
弱い麻酔薬として有名な薬が
笑気ガスの名前で知られている亜酸化窒素です。これは20%濃度で入れないと効かないらしいです。
空気の中にたくさん入れるので、酸素も一緒に入れてあげないと酸欠になってしまうので注意が必要です。
吸入麻酔薬
以前は、亜酸化窒素、ハロタン、エーテルを使っていたのですが、いろんな問題があったので
今は、ハロゲン化エーテル(~フルラン)をよく使っているようです。
歴史順にストーリーを持たせて覚えてみましょう。
③静脈麻酔
静脈麻酔薬は、ベンゾジアゼピン(BZ)系と同じような機序の薬が、
BZ系のミダゾラム、
バルビツール酸系のチアペンタゾール・チアマゾール、
早く効くプロポフォールの4つがよく出ます。
機序の違う薬がケタミンです。
ケタミンは興奮性のNMDA受容体と拮抗することで鎮痛を起こします。
幻覚を引き起こします。また、痛みによく効きます。痛みんで暗記しましょう(笑)