食品中の発がん物質についてまとめました。
N- ニトロソ化合物
亜硝酸と魚介類に多いジメチルアミンが反応してニトロソアミン(N-ニトロソ化合物)を生成する反応です。
野菜などに含まれる硝酸が口腔細菌ににより還元され亜硝酸塩となりなります。これが魚介類に多く含まれる第二級アミン(ジメチルアミンなど)と酸性条件下で反応するとニトロソアミンができます。
ニトロソアミンは発色剤として使用されます。
食品添加物はこちらにまとめてあります。
アクリルアミド
アスパラギンを多く含むじゃがいもを高温で加熱することでアスパラギンと糖がメイラード反応を起こしてアクリルアミドが生成されます。アクリルアミドはCYP2E1で代謝されることで変異原性を示し、神経障害を起こします。
メイラード反応はこちらにまとめてあります。
ヘテロサイクリックアミン
ヘテロサイクリックアミンは食品中のアミノ酸、タンパクの加熱により、焦げた部分に生じる変異原性物質です。
トリプトファン由来のTrp-p-1とTrp-p-2
グルタミン酸由来のGlu-P-1とGlu-P-2
を知っておきましょう。原理としては
Trp-p-1などがP450によりN-水酸化を受けてヒドロキシルアミンになります。これにトランズフェラーぜが反応し抱合反応を受けてニトレニウムイオンが生成し発がん性を示します。
ベンゾaピレン
ベンゾaピレンは食品の焦げた部分やタバコに含まれます。
CYP1A1とエポキシドヒドロラーゼにより代謝されて発がん性を示します。
植物中
植物中に含まれる発がん物質には
- サイカシン
- プタキロシド
があります。サイカシンはソテツに含まれる物質で腸内細菌のβ-グリコシダーゼにより分解され最終的にメチルカチオンを生じることで発がん性を生じます。
プタキロシドはワラビに含まれます。
両方ともアク抜きをすることで除去できるので、日常的に摂取するリスクは低いです。
プタキロシドとサイカシンは食中毒の分野でも出てくるので確認しておきましょう。
植物性の自然毒はこちら