概要
病態
症状 陽性症状/陰性症状
原因
統合失調症の原因ははっきりとはわかっていません。
仮説として言われていることは、以下の3つです。
- ドパミン仮説
ドパミン神経機能が亢進して陽性症状が出る。
- グルタミン仮説
興奮性のグルタミン酸神経の機能が低下し、感情の平板化などの陰性症状が起きている。
- セロトニン系の亢進
陰性症状にはセロトニンも関与していて、5-HT₂受容体の遮断が有効である。
治療薬
治療薬には昔から使われている定型と、最近よく使われている非定型があります。
定型
~系の~の部分は覚えないでいいですが、各薬が同じグループだとわかるようにしてください。
フェノチアジン系
以下の作用(「HAMAで」の部分)が定型、非定型の基本の作用点になるので作用とともにしっかり暗記してください。
ゴロ:フルでクロール HAMAで沈
その他の副作用にバゾプレシン分泌過剰症(SIADH)があります。
ブチルフェノン系
代表薬はハロペリドールです。
D₂受容体遮断作用が強く、ムスカリン受容体遮断作用が弱いため、
バランス的にコリンが重くなりやすく、錐体外路障害(パーキンソン様症状)が出やすいです。
筋注で4週間作用が持続するため、服薬管理がしっかりできるという特徴があります。
他にはブロムペリドールとスピペロンがあります。名前だけ覚えておきましょう。
その他:スルピリド
D₂受容体遮断作用です。この薬はよく国試に出ます。
その理由は、投与量によって適応の違う面白い薬だからです。
少ない順に
「胃潰瘍<うつ病<統合失調症」
になっています。
大変な病気ほど量を多くするイメージで覚えておきましょう。
非定型
いろいろな受容体を遮断する多元受容体遮断薬とドパミン調節薬に分けられます。
多元受容体遮断薬
ドパミンやセロトニンの受容体を遮断するため、陽性はもちろん、陰性にも効きます。
ゴロ:リスはペロペロ オランダのクエは甘い
SDA
S:セロトニン、D:ドパミン、A:アンタゴニスト
セロトニンとドパミンの受容体を遮断します。
薬はリスペリドン、パリペリドン、ペロスピロンを覚えましょう。
リスペリドンにはα1遮断作用があるため、アドレナリン反転を起こすため注意が必要です。
MARTA
ドパミンやセロトニンの受容体だけでなく、さまざまな神経伝達物質の受容体にくっつき伝達物質の作用を遮断します。
MAR:マルチレセプター、T:ターゲット~
薬は、オランザピン、クエチアピン、クロザピンを覚えてください。
ドパミン調節薬
この分類の薬はアリピプラゾールだけです。この薬は頭がいい薬です。
ドパミン受容体の部分作動薬なので、
ドパミンが多すぎるときには遮断薬として、
ドパミンが少なくなりすぎると、刺激薬として働きます。
そのため、統合失調症薬の副作用でよくあるパーキンソン様症状が出にくいという特徴があります。