ワーファリンとかアスピリンとか、俗にいう血液サラサラ系の薬って薬の数も作用点も多いし、とにかくわかりにくい!と思っている方も多いですよね。
順序良く理解すると思ったよりも簡単です。
コツは血栓ができる流れで全体を掴み、そのあと血小板血栓とフィブリン血栓に分けて勉強することです。
血栓の生成の流れを見るのがポイントです。
では、出血から血栓のできる流れと、大まかな薬の作用点についてみてみましょう。
Contents
血栓のできる流れ と 薬の作用点
- 血管が破れて出血すると、応急処置として一次止血が始まる
この時メインで働いてくれるのが血小板で、血小板血栓を作ります。
これはあくまで応急処置です。この血栓を強くするために二次止血の機構が動き出します。
- 一次止血で対応している間に二次止血が始まる
凝固系によりフィブリンがフィブリノーゲンから作られます。フィブリンは繊維状の物質で血小板血栓を覆って強い血栓を作ります。作りすぎて血管を塞ぐと大変なのでトロンビンで凝固系を制御しています。
作りすぎてしまったときはプラスミンで溶かします。これを線溶系といいます。
血小板血栓側とフィブリン血栓側では作られ方が全く違うので、違う血栓だと割り切って考えましょう。
一次止血と薬
一次止血では血小板血栓ができることを学びました。血小板が血管の損傷した部位にくっついて、セロトニンやADP、トロンボキサンといった化学物質を放出し、さらに血小板を集め凝集させます。
血小板の中では、Ca²⁺濃度が上昇して細胞興奮が起きて化学物質を放出します。抗血小板薬の作用は、血小板を興奮させないことで血小板凝集を抑えます。具体的には、セロトニンなどの受容体に作用します。
二次止血と薬
止血の流れで
- 二次止血はフィブリン血栓ができることで止血されること
- フィブリンはトロンビンによってフィブリノーゲンから作られること(凝固系)
- フィブリンはプラスミンによって溶かされること(線溶系)
を学びました。
ここからはもう少し深く凝固系、線溶系をみて各薬の作用点を探っていきます。