体性神経

運動神経(筋弛緩薬)を分かりやすく解説【薬剤師国家試験】

筋弛緩薬のマインドマップ筋弛緩薬のマインドマップ

今回は体性神経の中の運動神経をブロックする筋弛緩薬をまとめていきます。

目標

①ブロックする場所とその薬

②Nm受容体の競合阻害薬と非競合阻害薬の違い

①ブロックする場所とその薬

筋弛緩薬の標的となる場所は3つあります。

  • 運動神経終末のACh放出抑制
    • ボツリヌス毒素
      • 美容整形で目尻に注射し付近の筋肉弛緩させて小じわを取るのに使われる。
  • 筋細胞のNm受容体の阻害
    • 競合阻害薬
      • パンクロニウム、ロクロニウム、ツボクラリン
    • 非競合阻害薬
      • スキサメトニウム
  • 筋細胞内Ca²⁺小胞のリアノジン受容体の阻害
    • ダントロレン
      • 直接、筋細胞のCa²⁺小胞を抑えるため、電気刺激しても収縮しなくなる。

筋弛緩薬作用機序の図筋弛緩薬の作用場所

ボツリヌスとダントロレンは阻害する場所さえ覚えれば、それを使って問題が解けます。

Nm受容体阻害薬は、阻害方法が違うのでそれも合わせて理解する必要があります。

②Nm受容体の競合阻害薬と非競合阻害薬の違い

競合阻害薬

競合阻害薬は簡単です。

Nm受容体にAChが結合しないよう競合的に遮断するだけです。

薬は、ツボクラリン と ~クロニウム(パンクロニウム、ロクロニウム、ベクロニウム)を覚えてください。

ちなみに~ニウムの方はステロイド骨格を持っていて作用はツボクラリンより強力です。

 非競合阻害薬

非競合阻害薬は「脱分極性遮断薬」とも呼ばれます。

薬はスキサメトニウムのみです。

スキサメトニウムの作用機序

この薬の機序は一言で言うと、

「Nm受容体を刺激しまくって反応できなくする」

です。

①はじめに刺激されるため、少し反応(筋収縮)します。

②刺激し続けるとNm受容体がバカになり(脱感作)反応しなくなる。

静止膜電位に戻っても反応できず、弛緩したままになる。

 

国試を解く分にはこれで十分です。

関連分野

今回は扱った筋弛緩薬は

神経系(神経系>末梢神経体性神経>運動神経)

の中の運動神経をブロックする薬です。

同じく体性神経の知覚神経をブロックする薬は局所麻酔薬になります。

関連付けて覚えることで記憶は強固になります。この機会に関連分野も勉強するのがいいと思います。

では。

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