内分泌系疾患

褐色細胞腫の病態を分かりやすく解説【薬剤師国家試験対策】

褐色細胞腫とは??

褐色細胞腫とは副腎髄質に腫瘍ができて、カテコールアミンの分泌が過剰となり

  • 高血圧
  • 高血糖

などを引き起こす病態です。

 

症状は?

症状を理解するためにカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)の働きについて確認しましょう。

まずα1とβ1が刺激されるとそれぞれ血管収縮と心機能亢進、レニン分泌亢進作用により血圧が上昇します。

アドレナリンが持続的に出ることにより、血圧を調節するための機能が低下し起立性低血圧が出る場合もあります。

 

カテコールアミン作用が増強しているので代謝亢進しています。そのため脂肪分解促進により体重減少血中の遊離脂肪酸上昇が上昇します。

β2作用により、グリコーゲンの分解が促進され高血糖になります。

 

検査は??

検査では血中、尿中のカテコールアミンが増加しているか検査します。

また尿中にカテコールアミンの代謝物であるバニリルマンデル酸メタネフリンが増加しているか検査を行います。

 

治療法は??

まず第一は原因となる腫瘍を摘出することです。

それでもだめな場合に薬物治療を行います。

治療にはカテコールアミン遮断薬(αとβ受容体遮断薬)を使用します。

具体的にはα1遮断薬のドキサゾシンやブナゾシンを使用します。

アドレナリンによる高血圧や頻脈などの症状をコントロールする目的で使用します。

不整脈や頻脈などの症状が現れた場合にはβ遮断薬を使用しますが単独では禁忌です。

β1遮断によりαが優位となり血管収縮が起こり血圧が上昇するためです。

α1遮断薬の投与後に併用しながらプロプラノロールなどのβ遮断薬を使用します。

 

-内分泌系疾患

© 2024 マインドマップ薬学 Powered by AFFINGER5