脂溶性ビタミンの特徴と作用についてまとめました。
脂溶性ビタミンはD・A・K・E(だけ)です。
Contents
ビタミンDは代謝反応も覚えよう!!
ビタミンDの欠乏、過剰症 なんかくるでー
ビタミンDの病気は
なんかくるでー
なん:骨軟化症
か:高Ca血症
くる:くる病
でー:ビタミンD
で覚えましょう。
骨軟化症とくる病は骨の石灰化障害です。骨成長後の成人に見られるものを骨軟化症、それ以前の小児に見られるものをくる病と呼んでいます。
くる病は骨変形や成長障害などが見られます。
骨軟化症では筋力低下や骨痛が主徴として現れます。
高Ca血症が起こる理由はビタミンDの生理作用と一緒に確認しましょう。
ビタミンDの作用は骨形成とCa↑
活性型ビタミンDは
①核内受容体に結合
⇢②Ca結合タンパクの合成↑
⇢③少腸でCa吸収↑、骨形成促進、腎でCaの再吸収↑
をおこし、血液中のCa濃度を維持します。
このためビタミンDの過剰摂取では高Ca血症が起こります。
ビタミンDの代謝反応
7-デヒドロコレステロールは皮膚に多く存在します。紫外線(UV-B)が当たると開環反応を起こします。更に肝臓のCYPにより25位の水酸化、腎臓で1位の水酸化が起こることで活性型ビタミンDとなります。
ビタミンA
ビタミンAの欠乏、過剰症
欠乏症:夜盲症
過剰症:催奇形性、頭蓋内圧亢進
があります。
ビタミンAの構造
ビタミンAは動物性食品(主にレバー)や緑黄色野菜ではβ-カロテンなどのプロビタミンとして存在しています。
β-カロテンは体内に摂取後、参加されてビタミンAに変化します。(上図)
ビタミンAにも種類があります。
Rの部分の構造の違いでそれぞれ
- レチノール
- レチナール
- レチノイン酸
となります。
ビタミンAの作用
レチナールはロドプシンの膜成分として機能します。ロドプシンは網膜の視細胞で明暗を感知するのに重要です。
レチノイン酸は核内受容体に結合することで遺伝子発現を転写レベルで調節しています。
ビタミンK
ビタミンKの欠乏、過剰症
欠乏症として血液凝固障害があります。ビタミンKは血液凝固因子であるプロトロンビンの合成に関与しているからです。
また、新生児における、ビタミンK欠乏性出血症もあります。ビタミンKは胎盤を通過しにくいので新生児では不足のリスクが高まります。このため予防的にビタミンK₂シロップを投与します。
ビタミンKの作用
ビタミンKの作用として
- プロトロンビン(血液凝固因子)の合成に関与
- オステオカルシン(骨形成に関与するタンパク)の合成に関与
があります。
ビタミンKの種類
- ビタミンK1:フィロキノン
- ビタミンK2:メナキノン
を覚えましょう。
覚え方は
- フ(1画)⇢K1
- メ(2画)⇢K2 です。
フィロキノンは植物の葉緑体で、メナキノンは細菌類が産生するのは覚えておきましょう。
ビタミンE
ビダミンEの化学名は
トコフェロールと言います。
これはギリシャ語で「子供を授かる物質」という意味です。
ビタミEが不足すると、不妊に繋がりやすくなります。
トコフェロールの構造上の特徴としてクロマン環を持ちます。
クロマン環がラジカル補足作用により抗酸化作用を示します。