はじめに
片頭痛は成人の8%が罹患し、女性はに多い疾患です。
片頭痛を勉強する上で抑えておくべきポイントは2つ。
- 片頭痛の発生機序と誘発因子
- 予防、前兆期、急性期に使う薬
です。
片頭痛の発生機序と誘発因子
発生機序
片頭痛の発生機序として提唱されている仮説がいくつかありますが、今回は国試でも聞かれる血管仮説と三叉神経説についてお話します。
血管仮説
血管仮説を一文で言うと「血管が神経を圧迫して片頭痛が起きている」ということです。
起きるまでの流れを見てみましょう。
片頭痛には前兆期と急性期(発作期)に分けられます。
前兆期
- ストレスなどの刺激が加わる
- 脳血管に血小板が集まりセロトニンが放出される
- セロトニンが血管収縮を引き起こす
血管収縮が引き起こされるため血流が悪くなり、チカチカ星が見えるといった症状が現れます。
急性期
- 血小板のセロトニンが枯渇→反動で血管拡張
- 周りの脳(三叉)神経を圧迫
神経が圧迫され、血管の拡張/収縮に合わせて ズキズキとした拍動性頭痛が起こります。
三叉神経仮説
三叉神経が刺激されると三叉神経からカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が放出されます。CGRPは血管拡張→透過性亢進→炎症を促します。
片頭痛の誘発因子
血管の拡張・収縮が原因になっているため、それに関係することが誘発因子になります。
- カフェインの摂取→血管収縮
- 睡眠不足→交感神経優位で血管収縮
- 喫煙→血管収縮
- お酒(特に赤ワイン)→血管拡張
- チーズ→チラミンで血管収縮
薬物治療
予防薬
片頭痛は 脳血管が収縮してからの、拡張→頭痛 というながれでした。
そのため、普段から血管を収縮させなければ片頭痛は起こりません。
血管拡張薬といえば、Ca²⁺チャネルブロッカーです。中でも脳血管特異的なロリメジンが予防薬として使われます。
発作抑制薬
前兆期
発作の前兆期には、目の前にチカチカと星が見えるといった前兆症状が発生することが多いです。
その時期に服用する薬が、麦角アルカロイド製剤のエルゴタミン/カフェイン配合剤です。血管を収縮させ、発作を起こさないように働きます。
急性期
セロトニンが枯渇し、発作が起こってしまったときはセロトニン5-HT1刺激薬のスマトリプタンなど「~トリプタン」を使い血管を収縮させます。
片頭痛マインドマップpdf