腸炎:クローン病vs潰瘍性大腸炎+過敏性腸症候群

   

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概要

今回は、感染症ではないのに腹痛や下痢の症状が起きる消化器系の疾患を扱います。

クローン病と潰瘍性大腸炎は共に腸が炎症を起こしている状態(腸炎)です。

一方、過敏性腸症候群は炎症など器質的な変化が見られない(内視鏡で見ても変なところがない)状態です。

クローン病vs潰瘍性大腸炎

共に腸に炎症が起きます。原因は不明です。クローン病は難病指定されていて、寛解はしますが完治はしません。

国試では、クローン病と潰瘍性大腸炎の違いが問われますので、比較して勉強していきましょう。

原因

原因は共に不明です。自己免疫疾患ではないかと考えられています。

若い人(20代)に好発します。

部位

  クローン病 潰瘍性大腸炎
好発部位 腸全体

口~肛門

大腸
深さ 深く単発 浅く広く

クローン病は深い口内炎のようなものがポツポツと腸のアチラコチラにできます。

潰瘍性大腸炎の方は、薄~く大腸全体に炎症が広がります。

治療

  クローン病 潰瘍性大腸炎
第一選択 栄養療法

(経腸or中心静脈栄養)

手術or薬物治療

(症例による)

補助的 薬で治す!

クローン病は、口内炎のようなものが腸全体にできています。食物が通ると痛いので経腸栄養剤や中心静脈栄養でなるべく腸を刺激しないようにします。
(口内炎ができた時にウイダーとかしか食べられないイメージです。)

薬物治療

軽症の場合は、サラゾスルファピリジンかメサラジンを使い、重症のときはステロイドを使います。それでも聞かないときはインフリキシマブなどの抗体製剤の利用を考えます。

サラゾスルファピリジンとメサラジンの関係

国試的には薬の名前だけでいいですが、
リウマチにも使われたり、サルファ剤に分類されたりと わかりにくいので気になる人は読んでください。

サラゾスルファピリジンの作用

サラゾスルファピリジンは、大腸で腸内細菌により分解されて5-アミノサリチル酸とスルファニルピリジンになります。

スルファニルピリジンが無顆粒症などの副作用を引き起こします。「スルファニルピリジンはいらない!」と言って作ったがメサラジン(5-アミノサリチル酸のこと)です。抗炎症作用を見込んで潰瘍性大腸炎に使われます。

また、サラゾスルファピリジンを使うと関節リウマチに効果があることがわかってきました。
これは、一部のサラゾスルファピリジンが小腸で吸収され分解されずに体内に入り白血球などの免疫系の抑制作用があるためです。

ちなみに O=S=O ーNの構造が入っているためサルファ剤の分類に入ります。抗菌薬としては使われてません。

以上、様々な作用があるサラゾスルファピリジンでした。

過敏性腸症候群

検査上悪いところは無いのに、便通異常(下痢と便秘)が起こっています。

思春期の女性に多く、ストレスの影響が強いです。

薬は、

  • ストレスを和らげるための抗不安薬
    エチゾラムなど
  • 下痢を抑えるために
    メペンゾラート(抗コリン)、ラモセトロン(5-HT₃受阻害)
  • 調整薬のポリカルボフィルCa
  • 便秘には酸化マグネシウム

を主に使います。

便秘と下痢の薬を使うと覚えておけばOKです。

 - 病態, 消化器系

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