代謝系疾患

骨粗鬆症:骨を支配しているのはホルモンです!【薬剤師国家試験】

勉強のポイント

  1. まずは3つのホルモンとその系統の薬を理解しましょう。
    骨吸収⇔骨形成の全体像が見えてきます。
  2. その後にビスホスホネート系などの薬をみてください。

骨の構造と骨のリモデリングについてはこちらから!

骨粗鬆症 骨吸収 骨形成 全体像

骨粗鬆症pdf

治療薬

大きく分けると、ホルモン系、ビタミン系、ビスホスホネート系、抗体製剤の4つに分類できます。

ホルモン系

エストロゲン、パラトルモン、カルシトニンの3つのホルモンが骨粗鬆症には関係します。

エストロゲンが骨形成作用を持っています。一方で骨吸収作用を持つホルモンはパラトルモンです。骨吸収のアクセルがパラトルモンだとすると、ブレーキをかけるのがカルシトニンです。

パラトルモンは破骨細胞を活性化して骨吸収を進めます。

役割のイメージはパラトルモンが司令官で破骨細胞が実行部隊です。

エストロゲン

エストロゲンには2つの作用があります。カルシトニンの分泌促進作用と骨形成作用です。女性の場合、閉経後にエストロゲンの分泌がガクッと少なくなるので骨粗鬆症になりやすいのです。

  • エストラジオール
    エストロゲンホルモン自体です。
  • SERM(選択的 エストロゲン 受容体 モジュレーター)
    骨にはエストロゲン作動薬として、乳/子宮には抗エストロゲンとして作用する薬です。乳がんや子宮がんはエストロゲンが多いと発症しやすくなるので、
    薬は語尾に「~キシフェン」が付きます。ラロキシフェンやバセドキシフェンを覚えておきましょう。
  • イプリフラボン
    直接作用と間接作用があります。直接作用で骨吸収↓と骨形成↑
    間接作用でエストロゲンのカルシトニン分泌作用を増強させます。

パラトルモンvsカルシトニン

この2つのホルモンは、血中[Ca]の調整をしています。
血中[Ca]が高かったら、パラトルモンが骨吸収が進めて[Ca]を下げ、
血中[Ca]が低ければ、カルシトニンが骨吸収を抑えて[Ca]を下げます。

つまり、骨吸収のアクセルパラトルモンブレーキカルシトニンです。

さらに、カルシトニンは腸管からのCaの吸収を抑えることでも血中[Ca]を減らします。

パラトルモンとカルシトニンの関係は作用はこちらに詳しくまとめてあります。

 

カルシトニン系の薬

エルカトニン、サケカルシトニンを覚えてください。魚から取ったカルシトニンを製剤にしたものです。エルカトニンのエルは英語の「eel」で「うなぎ」です。ビタミンD製剤と名前を混同しがちなので、魚が付いてたらカルシトニン製剤だと覚えといてください。

カルシトニン製剤は骨粗鬆症の疼痛緩和に使います。

パラトルモン系の薬

テリパラチドを覚えてください。これは、パラトルモンの遺伝子組換え品です。パラトルモンは骨吸収を進める薬です。なのに、パラトルモン系の薬なんて使っていいのか?と思いますよね。私も思いました。

パラトルモンは、長期だと骨吸収を進めて血中[Ca]↑に働きます。しかし、短期だと骨吸収を抑えて、骨形成まで行ってくれるのです!この作用を使ったのがテリパラチドです。そのため、テリパラチドは長期での使用はできず、期間制限があります。

ビタミン系

ビタミンD

腸管からのCaの吸収を助けます。その結果、血中[Ca]が上がるので、パラトルモンの合成と分泌が下がり骨吸収も抑えられます。

薬にはアルファカルシドール、エルデカルシトール、カルシトリオールの三種類があります。

アルファカルシドールは活性型ビタミンDになる最後の工程の「肝臓での水酸化」がまだされていないプロドラッグです。

ビタミンK

ビタミンKはタンパク質の合成に必要です。ビタミンKというと「血液凝固因子の合成に必要でワーファリンで阻害する作用点」とイメージとしてありますが、血液凝固因子もタンパクです。今回のビタミンKは骨基質タンパクの合成に必要になってきます。

薬はビタミンK₂のメテトレノンを使います。
K₁、K₂の成分名はごっちゃになるので、画数で覚えましょう。
K₂のテトレノンは2→メ
K₁はィトナジオンです。フは1画です。

ビタミンKなのでワーファリンとの併用はもちろん禁忌です。

破骨細胞抑制系(ビスホス系、テリパラチド)

全体像の図の破骨細胞周辺をクローズアップしてビスホスホネート系とデノスマブの作用機序をみてみましょう。

ビスホスホネート テリパラチド 破骨細胞 作用機序

ビスホスホネート系

1番使われている骨粗鬆症の治療薬です。語尾は「〜ドロン酸」です。アレンドロン酸、リセドロン酸などの薬があります。

飲み方がかなり特徴的な薬です。薬の特徴と変な飲み方の理由をリンクさせて覚えましょう。

ビスホスホネート系の基本的な飲み方は

  • 起床時に
  • 座って(30分横にならない)
  • 多めの水で服用します。

その理由は、

  • ものすごい吸収が悪いのでお腹が空っぽな起床時に。(※エチドロン酸だけは食間に)
  • 〜ドロン酸は酸性薬物で食道粘膜障害があるので、食道に張り付くと粘膜障害が起きます。なので多めの水ですぐに胃に行くように座位で服用します。
機序

骨吸収を止めて骨量をアップさせます。骨形成作用はありません。

骨吸収を行うのは破骨細胞です。骨の表面に〜ドロン酸が付着しており、破骨細胞がそれを取り込みます。そうすると破骨細胞のメバロン酸経路の一部のファルネシル二リン酸の産生が止まり、破骨細胞はアポトーシスに追い込まれます。

骨の新陳代謝を止める薬なので、顎の骨が壊死する顎骨壊死の副作用が報告されています。

抗RANKL抗体:デノスマブ

デノスマブ 作用機序 RANKL

破骨細胞はRANKL(Lはリガンド≒基質)という物質がRANK(受容体側)に結合すると活性化します。

普段だと、薬は受容体遮断薬など受容体に作用する薬を扱ってきましたが、抗RANKL抗体のデノスマブはRANK(受容体側)を刺激する物質RANKL(基質側)を捕まえて刺激できなくします。

 

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