医療法

地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院の違いを比較【薬剤師国家試験】

前回は病院と診療所の定義を見ました。今回は同じ「病院」の中を、機能別に3つに分類していきます。

出てくるのは地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院の3つです。名前も承認要件も似ているうえに、国試は毎回この3つを入れ替えて出してきます。逆に言えば、どの要件がどの病院のものかさえ整理できていれば確実に取れるパートです。

この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。

マインドマップで見る「機能別の病院の分類」

機能別の病院の分類のマインドマップ(地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院の承認者と承認要件)
機能別の病院の分類のマインドマップ(地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院の承認者と承認要件)

右下のブロックが今回扱う機能別の病院の分類です。3つの病院がそれぞれ「誰の承認か」「承認要件は何か」という同じ構造で並んでいます。この構造のまま比較するのが一番早いので、先に表で全体を見てしまいましょう。

まず3つを並べて比較する

地域医療支援病院 特定機能病院 臨床研究中核病院
承認者 都道府県知事 厚生労働大臣 厚生労働大臣
キーワード 紹介患者・救急医療 高度の医療 特定臨床研究(治験)
病床数 200床以上 400床以上 ―
施設の特徴 医薬品情報管理室等 地域医療支援病院の施設+無菌病室 ―

承認者が知事なのは地域医療支援病院だけで、あとの2つは厚生労働大臣です。「地域」と名のつくものが都道府県レベル、と結びつけると覚えやすくなります。

病床数も 200 → 400 と倍になっていて、規模が一段上がるイメージがそのまま数字に出ています。

地域医療支援病院

都道府県知事の承認です。地域のかかりつけ医を後ろから支える、二次医療圏の中核にあたる病院をイメージしてください。承認要件は次のとおりです。

  • 他の病院等からの紹介患者に医療を提供できること
  • 病院で医師・薬剤師等の研修を行えること
  • 救急医療を提供できること
  • 200床以上であること
  • 一定の施設を備えていること(薬剤師国家試験としては医薬品情報管理室が重要)

救急医療が要件に入っているのは、この3つの中で地域医療支援病院だけです。第107回でも「地域医療支援病院の承認要件には、救急医療を提供する能力が含まれる」が正しい選択肢として出題されています。

特定機能病院

一段大きくなって、厚生労働大臣の承認になります。キーワードは高度の医療です。

  • 高度の医療を提供する能力
  • 高度の医療技術の開発・評価を行う能力
  • 高度の医療に関する研修を行わせる能力
  • 紹介患者に対して医療を提供すること
  • 400床以上であること
  • 地域医療支援病院の施設に加えて無菌病室を備えること
  • 医療安全に関する監査委員会の設置(開設者の義務)

「高度の医療」が提供・開発評価・研修の3点セットで出てくるのが特徴です。この3つが並んでいたら特定機能病院だと判断できます。

医療安全に関する監査委員会は、管理者ではなく開設者の義務である点にも注意してください。

臨床研究中核病院

厚生労働大臣の承認です。ほかの2つとは毛色が違い、臨床研究の実施において中核的な役割を担う病院という位置づけになります。

  • 特定臨床研究(治験)を計画・実施する能力があること

治験の推進や医療機器開発の拠点、というイメージです。国試では地域医療支援病院と特定機能病院のほうが圧倒的に重要なので、臨床研究中核病院は「治験の病院」「厚生労働大臣の承認」くらいの押さえ方で構いません。

国試はここで引っかけてくる

第107回では、こんな形で出題されました。

  • 「特定機能病院の承認要件には、特定臨床研究に関する計画を立案し、実施する能力が含まれる」→ 誤り(臨床研究中核病院の要件)
  • 「臨床研究中核病院の承認要件には、高度の医療を提供する能力が含まれる」→ 誤り(特定機能病院の要件)

見てのとおり、特定機能病院と臨床研究中核病院の要件を入れ替えるのが定番の作り方です。どちらも厚生労働大臣の承認なので、承認者では区別できません。「高度の医療=特定機能病院」「特定臨床研究=臨床研究中核病院」という結びつきだけは、機械的に反応できるようにしておいてください。

まとめ

  • 承認者は、地域医療支援病院=都道府県知事、特定機能病院と臨床研究中核病院=厚生労働大臣
  • 病床数は、地域医療支援病院200床以上、特定機能病院400床以上
  • 救急医療は地域医療支援病院の要件。施設としては医薬品情報管理室が国試的に重要
  • 高度の医療(提供・開発評価・研修)は特定機能病院。施設は地域医療支援病院+無菌病室、監査委員会の設置は開設者の義務
  • 特定臨床研究(治験)は臨床研究中核病院
  • 出題は特定機能病院と臨床研究中核病院の要件の入れ替えが定番

病院の分類はここまでです。次は医療提供体制の確保(医療計画・医療圏・基準病床数・病床機能報告制度)に進みます。今回出てきた地域医療支援病院と特定機能病院が、そこで「どの医療圏の中心にいるのか」という形で再登場します。

法規を、1枚の地図として頭に入れませんか

この記事の冒頭に載せたマインドマップは、法規という科目のほんの一区画です。実際には、薬機法の総則から薬局・製造販売業・医薬品の取扱い、そして社会保障制度までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。

解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全26回・約5時間34分。「この省令は誰に向けた基準なのか」「さっき出てきた登場人物が、どこで再登場するのか」が、条文の羅列ではなく流れとして入ってきます。バラバラに覚えていた制度が、1本の線になる感覚です。

法規のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。

-医療法

© 2026 マインドマップ薬学 Powered by AFFINGER5