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「空白再生」とは?マインドマップと分野別問題集で国試の暗記を一気に進める勉強法【薬剤師国家試験】

講義を一周した、あるいは参考書を一通り読み終えた。そういう状態でこの記事を開いている人が多いと思います。まずはそこまで来たことが大きいです。全体を見渡せていない状態では、何をどれだけ覚えればいいのかの判断すらできませんから、一周したというのはそれだけで前提条件をクリアしたということです。

ただ、ここから先は性質の違う作業が待っています。皆さんの方で「覚える」という作業です。ここはこちらから教えられることが一気に減る領域で、どれだけ丁寧な授業を聞いても、聞いただけでは点数になりません。「わかった」と「思い出せる」は別物で、試験当日に点になるのは後者だけです。

そして直前期に一番もったいないのが、この「覚える」作業を闇雲に始めてしまうことです。順番があります。この記事では、私がいつも講義の最後に話している2つのことをまとめました。ひとつは分野別問題集とマインドマップの照らし合わせ、もうひとつがタイマーを使った「空白再生」です。どちらも道具はストップウォッチだけで、今日から始められます。

この記事は、もともと解説授業の動画の最後に話している内容を記事に起こしたものです。この勉強法を実際に使っている講義の雰囲気は、衛生の解説授業(全22本)をYouTubeで全編無料公開しているので、そちらで確かめられます。

全範囲を一周したあとに待っている「覚える」という作業

一周し終えた時点で手元にあるのは「地図」です。どの分野がどこに属していて、何と何がつながっているか、その構造が見えている状態です。

ただ、地図を持っていることと、地図を頭から取り出せることは別です。国家試験は地図を見ながら解く試験ではありません。何も手元にない状態で、必要なブランチを自分で引っ張り出してこないといけない。だから、ここから先の作業は「入れる」というより「取り出せるかどうかを確かめる」作業になります。

この違いを最初に意識しておくかどうかで、直前期の1か月の中身が変わります。読み返す時間をいくら積んでも、取り出す練習をしていなければ、本番でいきなり取り出せるようにはなりません。

まずやること:分野別問題集とマインドマップを照らし合わせる

暗記に入る前に、一手間かけてください。分野別問題集(科目別に過去問が並んでいるタイプの問題集)を開いて、今からやろうとしている範囲の問題を見るという作業です。

このとき、解かなくていいです。解けなくても気にしなくていい。見るだけです。「この単元では、どういう聞き方の問題が出ているのか」を確かめるだけの作業です。

そのうえでマインドマップに戻ると、3つのことが同時に見えてきます。

  • こんな感じで解けばいいんだな(どのブランチを使えば答えにたどり着くか)
  • だからここら辺が重要なんだな(地図の中でどこが頻出で、どこが薄くていいか)
  • こういうふうに覚えればいいんだな(丸暗記が必要な箇所か、つながりで足りる箇所か)

順番が逆だと、これが手に入りません。「まず全部覚えてから問題を見る」というやり方をすると、出ないところを丁寧に覚えて、出るところを薄く覚える、という配分ミスが起きます。直前期にこれをやると取り返しがつきません。先に出口を見てから、入れる作業に入る。これを崩さないでください。

クロマトグラフィーを例に、照らし合わせの手順を追ってみる

具体例があった方が早いので、物理のクロマトグラフィーでやってみます。他の科目・他の単元でも手順は同じです。

第1段階:地図の中での位置を確認する。 クロマトグラフィーは化学物質の分析の中の「分離分析法」に入っていて、その分離分析法の中にクロマトグラフィーがある。まずこの位置関係が自分の口から出てくるかどうかを確かめます。ここが出てこないなら、細かい装置の名前を覚える前にやることがあります。

第2段階:分野別を開いて、どんな問題が出ているかを見る。 クロマトグラフィーの問題を何問か眺めます。そうすると、「確かにここのマインドマップを使うと解けるんだな」ということが実感できます。

この実感が大事です。実感がないまま暗記だけ始めると、まず続きません。「これを覚えれば点になる」という手触りがあるかどうかで、同じ30分の質が変わります。

第3段階:マインドマップを最初から通して見る。 ここで一度、その範囲の地図を頭から最後まで目で追います。「ああ、そうだった、そうだった」という感覚が出てくると思います。ここまでが準備で、まだ暗記ではありません。

「空白再生」:タイマーをかけて、自分に授業をしてみる

ここからが本題です。準備が終わったら、暗記の時間を取ります。

5〜7分で区切る。密なところは右と左に分ける

情報がみっちり詰まっているマインドマップは、1枚まるごとを一度に相手にしようとすると、1回の集中に収まりません。中心から右半分・左半分で分けてください。

そして片側に5分、長くても7分。ストップウォッチでタイマーをかけます。時間を決めないと、いつまでも眺めて終わります。区切りがあるからこそ「この5分で右側を頭に入れる」という集中が生まれます。

立って、誰かに説明するつもりで組み立てる

タイマーが鳴ったら、地図を閉じます。 ここが一番肝心なところです。

そして立ちます。 ホワイトボードの前でもいいし、何も無い壁の前でもいい。立ったうえで、頭の中でマインドマップを組み立てながら、誰かに説明するように声に出します。 自分に対して授業をするわけです。

座って目で追うのと、立って声に出して説明するのは、負荷が全く違います。目で追っているときは、書いてあるものを追認しているだけなので、いくらでも「わかった気」になれます。声に出そうとした瞬間に、自分が本当に何を持っていないかが出てきます。

詰まったところが、覚えていないところ

やってみると、うまく説明ができなかったところが必ず出てきます。そこが、自分が理解していないところ、あるいは覚えていないところです。

これが空白再生の一番の価値です。自分の穴を、自分で自動的に洗い出せる。誰かにテストしてもらう必要がありません。

説明できなかった箇所は「ちらっと見る」で十分

詰まったところは、そこだけちらっと見てください。 全部読み直す必要はありません。「ああ、そうだった、そうだった」で終わりです。それで次に進みます。

詰まり方は、大きく2種類あります。

  • 中身が出てこない。「保持時間って何だっけ?」のように、ブランチの名前は出てきても内容が出てこないパターン
  • 順番が出てこない。「グラフの見方の次のブランチって何だっけ?」のように、次にどこへ進むのかがわからなくなるパターン

後者も、同じようにその1点だけ確認すれば十分です。マインドマップは順番そのものが情報なので、順番が出てこないというのも立派な穴です。そこを軽く見ないでください。

一通り説明できるようになったら、次の5〜7分で反対側(左)をやります。 手順は全く同じです。左が終わったら、最後に左右をつないで1枚分を通して説明してみると、その単元は一区切りです。

なぜ「思い出してから見る」という順番が効くのか

この勉強法のポイントを1文で言うと、見てから思い出すのではなく、思い出してから見るということです。この順番だけは逆にしないでください。

地図が目の前にあれば、たいていのことは「わかる」と感じます。でも試験当日、地図は手元にありません。空白の状態から、自分の頭の中だけで再生できるか。 それを毎回確かめるので、私はこれを「空白再生」と呼んでいます。

そして直前期に点が動くかどうかは、このサイクルを何回転させたかで決まります。読み返した回数ではなく、何も見ずに再生しようとした回数です。

どの科目のどのマインドマップでも同じやり方が使える

一度この回し方を身につけると、あとは対象を差し替えるだけです。物理でも薬剤でも法規でも衛生でも、手順は全く同じです。単元が変わっても、覚えることが変わっても、「照らし合わせる → 5〜7分で入れる → 閉じて立って説明する → 詰まったところだけ見る」の4ステップは動きません。

直前期の使い方としては、全科目を頭から順に回すより、空白再生で詰まった箇所だけを残して、それを何周もするのが効率的です。回すたびに残る箇所が減っていくので、残りの日数に対して自分がどこにいるかも見えます。

そして、この勉強法は5〜7分の枠が1つか2つあれば回ります。 まとまった2時間を待たなくていい。移動前の隙間でも、寝る前でも、1枠回せればそれは1回転です。直前期にこれは強いです。

まとめ

  • 全範囲を一周したあとは、「入れる」作業から「取り出せるかを確かめる」作業に切り替える
  • 暗記に入る前に、分野別問題集で出題のされ方を見てからマインドマップに戻る。 先に出口を見ると、どこが重要でどう覚えればいいかが同時に決まる
  • 密なマインドマップは右と左に分け、片側5〜7分でタイマーをかけて頭に入れる
  • 時間が来たら地図を閉じ、立って、誰かに説明するつもりで声に出す(=自分に授業をする)
  • うまく説明できなかったところが、覚えていないところ。 そこだけちらっと見て次に進む。全部読み直さない
  • 中身が出てこないのも、順番が出てこないのも、どちらも同じように埋める
  • このやり方は科目を問わず同じ手順で使える。直前期は、詰まった箇所だけを何周もする

やることは「自分に授業をしてみて、覚えているかをチェックする」——これだけです。地味に見えますが、このやり方に切り替えた人は、圧倒的にできるようになっていきます。残りの期間、ぜひここを意識してやってみてください。

マインドマップ薬学を、1枚の地図として頭に入れませんか

この記事で説明した空白再生は、覚える対象が「1枚の地図」の形になっていないと使えません。バラバラの語句リストは、頭の中で組み立て直すことができないからです。

マインドマップ薬学では、薬剤・物理・法規・衛生・生物・病態薬理といった科目を、それぞれ1枚の地図に収めたPDFとして用意しています。ブランチをたどる順番がそのまま説明の順番になるので、この記事のやり方をそのまま当てはめられます。

マインドマップ一覧(各¥3,500〜)から選べます。直前期に全科目そろえる必要はありません。まずは自分が一番崩れている科目1つから試すのが現実的です。

地図をたどりながら話す講義動画は、衛生の全22本をYouTubeで全編無料公開しているので、この進め方が自分に合うかどうかは買う前に確かめられます。

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