動画でも解説しています。
Contents
アレルギー疾患(Ⅰ型)の勉強のポイントは3ステップ
- 薬の機序で分類
どの物質(ヒスタミンなど)に、効くのか?
受容体を遮断か、遊離抑制なのか - 機序の分類ごとに適応疾患が基本的に決まってる→基本覚えてから例外を。
ロイコトリエン受容体遮断は喘息に適応持ってるとか - 分類ごとに薬を覚える
アレルギーの発症方法
- アレルゲンが体内に入ってくる
- 粘膜などにいる肥満細胞がアレルゲンを受け取る
- ケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエン)放出
- ヒスタミン受容体などが刺激される
この流れを阻害してやれば、症状は出ないので、薬で狙うところが見えてきます。
機序で分類
抗アレルギー薬は、おおまかに上記の①~⑥に分類できます
- ①ヒスタミン遊離抑制
→ケミカルメディエーター遊離抑制薬(ロイコトリエンなども遊離阻害します。) - ②ヒスタミン受容体遮断
→抗ヒスタミン薬 - ③ロイコトリエン遊離抑制
→イブジラスト - ④ロイコトリエン受容体遮断薬
→~カスト:モンテルカストなど - ⑤トロンボキサン産生阻害
→オザグレル - ⑥トロンボキサン受容体遮断薬
→~トロ~:セラトロダストなど
適応と機序の分類
機序と適応を紐付けていきます。原則を覚えてから例外を覚えましょう。
②抗ヒスタミン薬は蕁麻疹に適応あり
蕁麻疹は肥満細胞から放出されたヒスタミンが血管拡張やかゆみを引き起こすため、抗ヒスタミン薬だけが蕁麻疹の適応を持っています。
逆に、抗ヒスタミン薬は抗コリン作用も併せ持ちます。
抗コリン作用→気管支の粘液分泌が少なくなる
→異物に対して気管支が敏感に
→気管支が収縮しやすくなる。
以上の抗コリン作用のため基本的には抗ヒスタミン薬は気管支喘息に適応を持っていません。
例外として第2世代の抗ヒスタミン薬の一部(アゼラスチンなど)は抗ロイコトリエン作用があるため喘息に適応あり
①,③,④,⑤,⑥(②抗ヒス以外)は気管支喘息に適応あり*
気管支喘息ではロイコトリエンが気管支を収縮させ悪化させます。
そのため、ロイコトリエンを抑える薬は基本的に気管支喘息に適応を持っています。
※例外はラマトロバン。この薬はアレルギー性鼻炎にのみ適応があります。
気管支喘息の治療についてはこちら↓を御覧ください。
適応をまとめると
機序ごとに薬を覚えましょう
機序の理解→適応の基本と例外
以上の2ステップまで終わったので、分類ごとに薬を覚えていきましょう。
①ケミカルメディエーター遊離抑制薬
ゴロは、「ラストは苦労、化学は暗記さ」
②抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミンは薬が多いので、子マップで解説します。↓
③、④ ロイコトリエン関連薬
③ロイコトリエンの遊離阻害がイブジラストのみ。
④ロイコトリエン受容体遮断薬は~カストが付きます。
プランルカスト、モンテルカスト、ザフィルルカストです。
覚え方は、
- イブジラストはイブシださない→遊離させない
- ~カストは受容体にカスが詰まる
で覚えてみてください。
⑤、⑥トロンボキサン関連薬
⑤トロンボキサン合成阻害薬がオザグレル
⑥トロンボキサン受容体遮断薬がラマトロバン、セラトロダストです。
その他:Th2サイトカイン阻害薬のスプラタスト
作用は
- T細胞であるTh2細胞から遊離されるインターロイキン(IL)のIL-4、IL-5の産生を抑る
- ケミカルメディエーター(ヒスタミンなど)の遊離阻害
スプラタストも気管支喘息に適応を持っています。