内分泌系疾患

尿崩症について分かりやすく解説【薬剤師国家試験対策】

勉強のポイント

尿崩症は中枢性、腎性に分けて、違いを理解しましょう。

またバソプレシンについても生物の範囲と一緒に整理して学びましょう。

中枢性尿崩症

中枢性尿崩症はバソプレシンの合成障害により、水分の再吸収が低下し多尿、多飲、口渇などの症状を引き起こす病態です。

中枢性尿崩症 バソプレシン 多尿

バソプレシンは抗利尿ホルモンで視床下部で産生され下垂体後葉で分泌されます。視床下部からホルモンが出るのでは無いので注意しましょう。

原因は頭部外傷や、下垂体腫瘍などでバソプレシンの合成障害がおきます。

バソプレシンは腎の集合管に作用して水の再吸収をしますが、尿崩症では再吸収が阻害されるので低張尿が大量にでます(多尿)。

多尿は3L/日以上と定義されますが尿崩症では10L/日以上となることもあります。これに伴い口渇、多飲もよく見られる症状です。

治療にはデスモプレシンを使用します。

デスモプレシンはV2 受容体刺激薬で経口と点鼻があります。

腎性尿崩症

腎性尿崩症はバソプレシンは正常に作用しますが、バソプレシンに対する反応性が低下するために生じます。

腎、集合管でのバソプレシン受容体、水チャネルの変異がバソプレシンの反応性を低下させます。

主な原因は先天性後天性に分けることができます。

小児の場合には先天性のことが多く遺伝性です。

後天性の場合には炭酸LIアムホテリシンBアミノグリコシド系等が原因薬物となります。

治療には、サイアザイド系利尿薬が使用されます。

二段階試験とは??

尿崩症の鑑別方法です。

尿崩症 バソプレシン試験 中枢性 腎性

最初に水分の摂取制限をすることで尿崩症かどうか診断していきます。

正常であれば尿量は減少しますが、尿崩症の場合にはバソプレシンがうまく作用しないので尿量の変化はありません

尿量に変化がない場合にバソプレシン試験を行います。

バソプレシンを負荷することで尿量が減少すれば中枢性(バソプレシの反応性は正常)、尿量の変化がなければ腎性となります。

中枢性、腎性の違いを整理しよう

尿崩症 中枢性 腎性 違い

中枢性、腎性の違いは

  • 原因
  • バソプレシン濃度
  • 治療

の3点を抑えましょう。

国試でも聞かれやすいところですので最低限押さえておきましょう。

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