肺がんは男女ともに年齢調整死亡率が上昇している疾患です。特に40歳以上の男性に多い疾患です。原因は喫煙やアスベストなどの化学物質があります。
治療は肺がんの種類によってかわってくるので、分類ごとに特徴とセットで覚えましょう。
肺がんを分類しよう
肺がんは大きく分けて
- 非小細胞肺がん→手術メイン
- 小細胞肺がん→化学療法メイン
に分けられます。
非小細胞がんを更に分類しよう
非小細胞肺がんの中には
- 扁平上皮がん
- 腺癌
- 大細胞がん
があります。
扁平上皮がんは放射線、化学療法への感受性が高いです。喫煙との相関が強く、肺門部(入り口)にできやすいのが特徴です。
腫瘍マーカーのSCCをみます。
腺癌は肺野部に好発します。女性の肺がんの中で割合が高いです。また東洋人女性の腺癌患者にゲフィチニブが効果が高いとされています。
小細胞癌の特徴は??
小細胞がんは早い段階で、血行性、リンパ性に移行することで、手術不能例が多く予後不良な肺がんです。小細胞(=未分化)なので増殖が早いとイメージしましょう。扁平上皮がんと同じく喫煙との相関が強く肺門部にできやすいです。化学療法、放射線に感受性性が最も高いです。
腫瘍マーカーはNSEを見ます。
症状は??
初期は無症状のことが多いです。進行してくると咳や痰、呼吸困難などの症状が出てきます。
また。ホルモン産生性腫瘍の形成によりACTHを産生し、コルチゾールが分泌され、クッシング症候群を誘発することもあります。
脳転移しやすいのも特徴です。肺と脳は血管を介してつながっているので、血行性に移行しやすい肺がんは脳転移が起こりやすいという理由です。
非小細胞肺がんの治療
非小細胞肺がんの第一選択は外科的治療になります。
分子標的薬ではチロシンキナーゼ阻害薬の
- ゲフィチニブ
- エルロチニブ
- アファチニブ
などを使用します。
また、ALK融合遺伝子陽性の場合にはクリゾチニブも使用します。ALK融合遺伝子は異常なチロシンキナーゼを産生します。
ニボルマブは進行、再発性の非小細胞肺がんに適応があります。ニボルマブは保険適応疾患がどんどん増えてきています。また、以前は体重あたりで投与量を計算していましたが今は一律で240mg/回となったので実務などで聞かれるかもしれません。
その他、
- プラチン系
- タキサン系
- トポイソメラーゼ阻害薬
- ゲムシタビン
なども使用します。
小細胞肺がんの治療
小細胞肺がんは化学療法と放射線療法の併用を行います。
化学療法には白金製剤とトポイソメラーゼ阻害薬の併用をするレジメンをしようすることが多いです。白金製剤では副作用に聴力障害と、腎障害があります。腎障害を予防するために輸液による水分負荷と利尿薬で尿量を増やすことで予防することが大切です。