疾病の1次、2次、3次予防と新生児マススクリーニング検査についてまとめます。
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予防の各段階
疾病にはいろんな段階が合るので予防もそれに合わせて段階的にしようということで3段階に分かれています。
それぞれも目的と具体的な手段を知っておきましょう。
1次予防
1次予防は健康な状態で行う予防です。病気にならないようにしたり、継続して健康な生活がおくれるようにするためのものです。
健康の維持(非特異的)には
- 栄養改善(減塩)
- 食事摂取基準設定
- 環境保全行政(下水道の管理とか)
- 禁煙教室、母親教室
があります。
特定の疾患の予防目的には
- 予防接種
- 作業環境の管理(有害物質を取り除く)
があります。
予防接種に関しては、どんなものがあるのかと、特徴について理解しておく必要があります。そちらについてはこちらを。
2次予防
2次予防は病気が不顕性(症状がまだでていない)状態で行います。早期発見、早期対策、治療が大切になります。
具体的には
- がん検診
- 健康診断
- 新生児マススクリーニング検査
- 生活習慣病検診
などがあります。
3次予防
症状が現れる段階です。能力の回復と再発防止が目的です。リハビリテーションが重要です。病気による能力の低下で、社会へ復帰した際にハンデがないようにするのが目的です。
新生児マススクリーニング検査
新生児マススクリーニング検査は2次予防になります。目的は先天性代謝異常を持つ新生児の早期発見、治療で心身障害発生の予防です。
義務ではなく親の希望で検査が行われます。検査により疾患が発見された場合には、成人するまで公費で治療が受けられるのもメリットです。
方法は生後4~7日に赤ちゃんの足の裏から血液をとります。検査にはタンデムマス法が使用されています。(ガラクトース血症とクレチン症、先天性副腎過形成はタンデムマス使えないので従来の酵素法やELISAを使用)
対象疾患は19種類ありますが国試で覚えておくべきは6つです。
覚え方は
ガメラほふく前進
- が:ガラクトース血症
- メ:メープルシロップ尿症
- ほ:ホモシスチン尿症
- ふ:フェニルケトン尿症
- く:クレチン症
- 前:先天性副腎過形成
新生児マススクリーニンで陽性率が高いのがクレチン症で約4000人に1人です。クレチン症は先天性甲状腺機能低下症のことです。
アミノ酸代謝に関わる疾患は
- フェニルケトン尿症
- ホモシステイン尿症
- メープルシロップ尿症
です。
そのうち、フェニルケトン尿症ではフェニルアラニンヒドロキシラーゼという酵素が欠損してます。
この酵素はフェニルアラニンがチロシンへ代謝するのに必要ですが、ないのでフェニルアラニンの血中濃度が上がります。これにより認知や行動障害を伴う知的障害が生じます。そのため甘味料であるアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)は避ける必要があります。