
「これぞかんせいだ」のぞ(造粒)にあたる機械です。数が多いので1本の記事にまとめました。
造粒機の覚え方には、はっきりしたコツがあります。「どんな形の顆粒ができるか」で機械を区別することです。国試で問われるのもほぼそこなので、機械の構造を細かく覚えるより、できあがる顆粒の形と特徴を機械名とセットにしてください。
この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。
Contents
まず乾式と湿式に割る
造粒は乾式と湿式に分かれ、メインは湿式です。
乾式を使うのは、水や熱に弱い薬のとき。乾式顆粒圧縮法が水も熱も使わない製法だったのと、まったく同じ理由です。
乾式:乾式破砕造粒機

流れはこうです。
粉体を入れる → 圧縮ロールでシート状にする → 破砕用の羽根で砕く → 破砕用ロール・スクリーンを通して顆粒にする
特徴は2つ。
- 水を使わないので、乾燥状態で顆粒にできる
- できるのは不定形の造粒物
「圧縮して砕く」というやり方なので、丸くはなりません。乾式=不定形と覚えてください。
湿式:5つの造粒機
①押し出し造粒機:円柱状・密度が高い

イメージはところてんです。スクリューで材料を送り、スクリーンの穴から押し出して顆粒にします。
- 円柱状の造粒物(スクリーンの穴の形がそのまま出る)
- 押し出して作るので密度が高い(ぎゅっとしている)
②流動層造粒機:嵩高い・1台で3工程

下から風を送って粉体をふわふわと浮かせながら、結合剤を噴霧して造粒します。
- 嵩高い造粒物(ふわっとしている)
- 混合・造粒・乾燥を連続的にできる
この「1台で3工程」が最大の利点です。工程が一気に短くなります。浮かせながら風を当てているのだから、混ぜながら、くっつけながら、乾かしている——と考えれば納得できるはずです。
③噴霧乾燥造粒機:球形・ただし混合はできない

溶液にした試料をスプレーで噴霧し、落ちていく間に風で乾かす方式です。排気はサイクロン捕集器で行います。
- 比較的球形の造粒物(液滴が表面張力で丸くなってから乾く)
- 濃縮・乾燥・造粒が1工程でできる
- 混合はできない
最後の「混合ができない」が出題ポイントです。流動層造粒機が「混合・造粒・乾燥」の3つをこなすのに対し、噴霧乾燥造粒機は溶液をまくだけなので混ぜる工程がない——この違いを押さえてください。
④転動造粒機:球形に近い

結合剤を噴霧しながら、ローターの回転による遠心力で粉体を転がして造粒します。
- 球形に近い造粒物
転がして作るので丸くなる、というのは雪玉を転がすイメージそのものです。
⑤撹拌造粒機:重質で球形に近い

撹拌羽根と破砕羽根を持つ装置です。結合剤の溶液を散布しながら、撹拌羽根で粉体を混ぜ、破砕羽根で砕きます。
- 重質で球形に近い造粒物
せん断力が強いため、しっかり練り込まれた重い顆粒になります。転動造粒機と形は似ていますが、「重質」がつくのが撹拌造粒機です。
形で一気に見分ける
| 造粒機 | 乾/湿 | できる顆粒 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 乾式破砕造粒機 | 乾式 | 不定形 | 乾燥状態で顆粒にできる |
| 押し出し造粒機 | 湿式 | 円柱状 | 密度が高い |
| 流動層造粒機 | 湿式 | 嵩高い | 混合・造粒・乾燥が連続的にできる |
| 噴霧乾燥造粒機 | 湿式 | 比較的球形 | 濃縮・乾燥・造粒が1工程。混合はできない |
| 転動造粒機 | 湿式 | 球形に近い | 遠心力で転がす |
| 撹拌造粒機 | 湿式 | 重質で球形に近い | せん断力が強い |
形で並べ直すと、不定形は乾式だけ、円柱状は押し出しだけ、嵩高いは流動層だけ——重複がほとんどありません。丸くなる3つ(噴霧乾燥・転動・撹拌)だけ、特記事項で区別してください。
まとめ
- 造粒は乾式と湿式。メインは湿式で、乾式は水・熱に弱い薬に使う
- 乾式破砕造粒機:乾燥状態で造粒できるが不定形
- 押し出し造粒機:円柱状・密度が高い(ところてん方式)
- 流動層造粒機:嵩高い。混合・造粒・乾燥が連続的にできる
- 噴霧乾燥造粒機:比較的球形。濃縮・乾燥・造粒が1工程だが混合はできない
- 転動造粒機:球形に近い(遠心力で転がす)
- 撹拌造粒機:重質で球形に近い(せん断力が強い)
次は打錠機とその先です。製剤化の機械③打錠機と打錠障害・コーティング装置・カプセル充填機へ進んでください。粉砕機と混合機は製剤化の機械①、剤形全体の地図は剤形分類の全体像で確認できます。
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