
製剤の性質が終わったので、ここからは製剤設計に入ります。
最初に、勉強のしかたがここで切り替わることを伝えておきます。
- 製剤の性質:Stokesの式、Noyes-Whitney式、HLBの計算——原理を理解して使う分野
- 製剤設計とDDS:ほぼ暗記。似たものを並べて比較しながら覚えていくのが基本
つまりここから先は、1つずつバラバラに覚えるのではなく、「AとBは何が違うのか」という形で対にして押さえるのが最短ルートになります。この記事では、その比較表を作る前提になる地図を先に持っておきましょう。
この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。
製剤設計は2つに分かれる
製剤設計の中身は、大きく次の2つです。
| 何を学ぶか | |
|---|---|
| ①製剤の種類と製剤工程 | 錠剤・カプセル剤・注射剤・軟膏剤などにどんな種類があり、どういう工程で作られるのか |
| ②各論 | 容器の種類、添加剤、製剤化の機械、局方の試験法 |
①で「何をどう作るか」を押さえ、②でそこに使う道具と材料、そしてできたものを確かめる試験を押さえる、という構造です。
①を先にやる理由ははっきりしていて、②の添加剤も機械も、①の製造工程のどこで登場するかが分かっていないと丸暗記になるからです。たとえば「滑沢剤」は打錠の直前に入れる添加剤ですが、打錠という工程を知らなければ、その位置づけが頭に入りません。
剤形の分類:局方の製剤総則が本家
剤形の公式な分類は、日本薬局方の「製剤総則」に載っています。ただし製剤総則には、耳に使う薬、スプレー剤、貼付剤まで含めて膨大な数の剤形が並んでいます。これを頭から順に丸暗記しようとすると、まず間違いなく途中で力尽きます。
そこで、国試対策としては出るところだけを取りに行くのが正解です。マインドマップに載せてあるのは、次の2つの条件のどちらかを満たす剤形だけに絞ってあります。
- 国試で製法を深く突っ込まれるもの(錠剤、注射剤など)
- 似ているので比較が必要なもの(舌下錠とバッカル錠、点眼剤と眼軟膏など)
逆に言えば、ここに載っていない剤形は「名前を知っていれば足りる」ものだと考えて構いません。製剤総則は引くものであって、覚えるものではない——これが製剤総則との付き合い方です。
この単元で扱う剤形の地図

実際に扱うのは、次の6グループです。
| グループ | 中身 | 記事 |
|---|---|---|
| 経口する製剤 | 錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、経口液剤、経口フィルム剤 | 錠剤の製法 / 顆粒剤・カプセル剤ほか |
| 口腔内に適用する製剤 | 舌下錠、バッカル錠、ガム剤、トローチ剤、付着錠 | 口腔内・坐剤・吸入剤 |
| 坐剤 | 油性基剤・水性基剤・乳剤性基剤 | 同上 |
| 吸入剤 | 吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤 | 同上 |
| 皮膚などに適用する製剤 | 軟膏剤の基剤 | 軟膏剤の基剤と混合の可否 |
| 無菌製剤 | 滅菌方法、注射剤、点眼剤・眼軟膏 | 滅菌法 / 注射剤 / 点眼剤と眼軟膏 |
分量の重心は「錠剤」と「無菌製剤」
この6つは分量が均等ではありません。錠剤の製法と無菌製剤(滅菌法・注射剤・点眼剤)の2か所に、国試の出題が集中しています。
- 錠剤:製法が4種類あり、それぞれの工程を順番どおりに言えるかを問われる
- 無菌製剤:滅菌法の分類、注射剤の等張化計算、点眼剤と眼軟膏の比較——どれも単独で1問になる
逆に口腔内適用製剤や吸入剤は、特徴を一言で言えれば足りることがほとんどです。時間配分もこれに合わせるのが効率的です。
まとめ
- 製剤設計から先はほぼ暗記。似たものを比較して対で覚えるのが基本方針
- 製剤設計は①製剤の種類と製剤工程と②各論(容器・添加剤・機械・局方の試験法)の2本立て
- 剤形の公式な分類は局方の製剤総則。ただし全部覚えるものではなく、製法を問われるもの・比較が必要なものに絞って取りに行く
- 分量の重心は錠剤の製法と無菌製剤。ここに時間をかける
では、いちばん出題の多い錠剤から入っていきます。錠剤の製法(直打法・湿式/乾式顆粒圧縮法)と錠剤の種類へ進んでください。製剤分野の全体像は製剤化のサイエンスとは?で確認できます。
薬剤を、1枚の地図として頭に入れませんか
この記事の冒頭に載せたマインドマップは、薬剤という科目のほんの一区画です。実際には、吸収から分布・代謝・排泄、そして製剤設計までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。
解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全33本・約11時間。「なぜこの薬がここで出てくるのか」「さっき覚えたあの話が、どこにつながるのか」が、バラバラの知識ではなく流れとして入ってきます。細切れに暗記してきたものが、1本の線になる感覚です。
薬剤のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。