
製剤設計の最後です。容器の種類と局方通則の温度——どちらも覚えるだけの項目ですが、確実に点になるところなので、ここで一気に固めてしまいましょう。
容器は各剤形の記事で何度も出てきました。「点眼剤は透明性のある気密容器」「眼軟膏は気密容器」「カプセル剤は密閉容器」——それらをここで1枚の表に集約します。
この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。
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容器は3種類:語呂は「ミッキーぷー」

容器は3つあり、この順に遮断性が大きくなります。
「ミッキーぷー」 ミッ → 密閉容器 キー → 気密容器 ぷー → 密封容器 下にいくほど遮断性が大きい
| 容器 | 入れないもの(局方通則) | 入る製剤 |
|---|---|---|
| 密閉容器 | 固形の異物が混入しない(中身の損失も防ぐ) | 中身が固体:錠剤、カプセル剤、散剤、坐剤、吸入粉末剤 |
| 気密容器 | 固形+液状の異物が侵入しない(損失・風解・潮解・蒸発も防ぐ) | 中身が液体・半固体:経口液剤、点眼剤、軟膏剤、吸入液剤 |
| 密封容器 | 気体が侵入しない | 吸入エアゾール剤、注射剤、腹膜透析用剤 |
「何が入ってこないか」が3段階
分類の軸はシンプルで、防ぐ相手が段階的に細かくなるだけです。
固形の異物(密閉) → 固形又は液状の異物(気密) → 気体(密封)
固体より液体、液体より気体のほうが入り込みやすいので、密封容器がいちばん遮断性が高い——理屈で並びます。
出題されるのは「吸入剤の3兄弟」
この単元でいちばん狙われるのが、吸入剤が剤形によって容器を変えることです。
| 製剤 | 容器 | なぜ |
|---|---|---|
| 吸入粉末剤 | 密閉容器 | 中身が固体だから |
| 吸入液剤 | 気密容器 | 中身が液体だから |
| 吸入エアゾール剤 | 密封容器 | 噴霧剤(気体)が入っているから |
同じ「吸入剤」でも3つとも違う、という引っかけです。吸入剤でやった粉末剤・液剤・エアゾール剤の違いが、そのまま容器の違いになっていると考えてください。
密封容器の3つ(吸入エアゾール剤・注射剤・腹膜透析用剤)も、まとめて頻出です。
各剤形の容器を回収する
| 製剤 | 容器 | 出てきた記事 |
|---|---|---|
| カプセル剤 | 密閉容器 | 顆粒剤・カプセル剤ほか |
| 点眼剤 | 透明性のある気密容器 | 点眼剤と眼軟膏 |
| 眼軟膏 | 気密容器 | 同上 |
| 注射剤 | 密封容器 | 注射剤の分類 |
点眼剤だけ「透明性のある」が付くのは、不溶性異物検査法を行うためでした。
包装の種類と防湿性
SP包装とPTP包装

| 包装 | 略語 | 構造 |
|---|---|---|
| SP包装 | Strip Package | アルミやセロファンの内側にポリエチレンなどのフィルムを重ね、周囲を加熱圧着して包装したもの |
| PTP包装 | Press Through Package | アルミ箔に、くぼみのついたプラスチックを貼り合わせたもの。押し出して取り出す |
PTPの「Press Through」= 押し出して通す、SPの「Strip」= 帯状に切り離す——名前の由来で区別できます。
防湿性の順番
包装材料の防湿性が問われます。
セロファン(低い)< プラスチック < アルミ(高い)
アルミがいちばん湿気を通さない、というのは直感どおりです。
注射剤の容器
- アンプル
- バイアル
- プレフィルドシリンジ

プレフィルドシリンジは、pre(あらかじめ)+ filled(満たされた)+ syringe(注射器)。あらかじめシリンジに薬液が充填されている注射剤です。名前を分解すれば意味が出てきます。
局方通則の温度

最後に温度の規定です。4つの数字を覚えるだけです。
| 用語 | 温度 |
|---|---|
| 標準温度 | 20℃ |
| 常温 | 15〜25℃ |
| 室温 | 1〜30℃ |
| 冷所 | 1〜15℃ |
引っかかりやすいのは常温と室温の関係です。言葉の感覚だと「室温のほうが狭そう」に思えますが、実際は逆で、
常温(15〜25℃)のほうが狭く、室温(1〜30℃)のほうが広い
常温は室温の中に収まっていると覚えると取り違えません。そして冷所は1〜15℃で、常温の下限15℃と接しています。
まとめ
- 容器は「ミッキーぷー」= 密閉 → 気密 → 密封の順に遮断性が大きくなる
- 密閉容器=固形の異物を防ぐ(固体)、気密容器=固体・液状の異物を防ぐ(半固体・液体)、密封容器=気体が侵入しない
- 吸入粉末剤=密閉、吸入液剤=気密、吸入エアゾール剤=密封。剤形で容器が変わるのが頻出
- 密封容器は吸入エアゾール剤・注射剤・腹膜透析用剤
- SP包装=Strip Package(加熱圧着)、PTP包装=Press Through Package(アルミ箔+くぼみ)
- 防湿性はセロファン < プラスチック < アルミ
- プレフィルドシリンジ=あらかじめ薬液が充填された注射剤
- 温度は標準温度20℃/常温15〜25℃/室温1〜30℃/冷所1〜15℃。常温のほうが室温より狭い
これで製剤設計は終わりです。次からは最後のかたまり、DDSに入ります。DDSのターゲティング(能動的・受動的とEPR効果)へ進んでください。局方の試験法は局方の試験法まとめ、製剤分野の全体像は製剤化のサイエンスとは?で確認できます。
薬剤を、1枚の地図として頭に入れませんか
この記事の冒頭に載せたマインドマップは、薬剤という科目のほんの一区画です。実際には、吸収から分布・代謝・排泄、そして製剤設計までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。
解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全33本・約11時間。「なぜこの薬がここで出てくるのか」「さっき覚えたあの話が、どこにつながるのか」が、バラバラの知識ではなく流れとして入ってきます。細切れに暗記してきたものが、1本の線になる感覚です。
薬剤のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。